8月に3回にわたりレポートシアトルの最新小売事情をお伝えしてきました。
シアトルは小売業の最新トレンドをつかめる注目スポットであるのと同時に、Amazonの本拠地である事でよく知られています。ネット通販で急速な拡大を遂げてきたAmazonですが、実店舗の展開を実験的に行っています。
現在、オープンしている2店舗のうち、シアトルにある第1号店を訪ねました。
店舗は、ローカルの瀟洒なブティックや飲食店が立ち並ぶライフスタイルセンターの一角にあります。
すぐ近くには、大型のローカルスーパー「Quality Food Center」もあります。オープンエアのカフェなど飲食店も充実しており、ショッピングセンターというよりも、洗練された町並みを感じさせます。
外観から分かるように、店舗面積はさほど大きくありません。
歩いて店中をくまなくまわる程度ならば、5分程度でまわれるコンパクトな広さです。
店舗の特徴1:陳列のカテゴリーが「顧客評価」
書店の特徴として、書籍の分野に基づいて陳列されているのが一般的なのに対し、Amazon booksでは、ウェブ通販上でのカスタマーレビューに基づき、高い評価を獲得した本を中心に品ぞろえをしているのが特徴です。陳列は、本の表紙を前にした陳列が主流です。
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↑4.5以上のカスタマーレビューの棚 | ↑店に入ると真正面には4.8以上の高評価の書籍が並ぶ |
店舗の特徴2:ウェブと同価格保証
特徴1にあるように、ウェブの評価に基づいて陳列も変わることと、更に金額についても常にウェブに連動しています。そのため、販売価格はAmazonのアプリを使いバーコードをスキャンして確認します。
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店舗の特徴3:Kindleの試読コーナーもあり。
KindleをはじめとしたAmazonによる電子端末の体験ができるようになっており、デジタルの『立ち読み』も体験できるようになっています。店舗スタッフが丁寧に使い方を教えてくれますので、新しく電子書籍の端末を試してみたいという方には便利だと感じました。
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店舗にはソファもあり、本をゆっくりと読めて余裕ある空間も楽しめます。
佇まいは書店というよりも「本のショールーム」という雰囲気が強く、書籍は「商品」ではなく「展示品」として陳列をされている印象を受けました。
「オムニチャネル」や「O2O」などのキーワードが重視される中で、あえて「実店舗」を出店するなどの試みを続け変革し続けているAmazon。
ウォールストリートジャーナルによると、Amazonのネット通販で注文をした生鮮品等のピックアップ専用の店舗をシアトル郊外にオープンさせる計画も報じられています。更に、10月初旬にはAmazonがコンビニを始めるというニュースも出てまいりました。デジタルとリアル店舗の融合でAmazonはどのような進化を続けていくのか、今後も追いかけていきたいと思います。
<お知らせ>
当社ではシアトル流通視察を企画しています。今回取り上げたAmazonだけではなく、ホールフーズやクローガーなど、小売業の新しい取組が行われているシアトルという都市を気軽に視察いただけるプランです。
上記日程での都合がつかない場合にはオーダーメードも承っております。是非、お気軽にご相談ください。