3月にもトレンドピックアップにて取り上げた注目企業グロサリーアウトレットですが、2023年度第一四半期の純売上高が12.5%増え、はじめて10億ドルに達したと発表しました。
カリフォルニアを拠点にワシントン州、オレゴン州、ペンシルベニア州、アイダホ州、ネバダ州、ニュージャージー州およびメリーランド州で447店舗を展開しているグロサリーアウトレット(Grocery Outlet)は、全国のナショナルブランドのサプライヤーから、在庫余剰品、消費・使用期限の短いもの等を直接仕入れて、一般のスーパーマーケットよりも40%~70%も安い価格で提供するビジネスモデルで右肩上がりの成長をしている当社注目の企業です。
同社は年内に新たに25~28店舗を新規オープンする予定です。
英国で消費者保護の様々な活動を行っている非営利組織であるウィッチ?(Which?)が毎月行っている最も安いスーパーマーケットチェーン調査において、2023年6月最も安く商品を購入できたのは13か月連続でアルディ(Aldi)が選ばれました。これは生活に必要な食料品や日用品42品目を購入した場合の価格を調査したもので、その順位と価格は以下の通りでした。
① アルディ(Aldi) 75.25ポンド
② リドル(Lidl) 77.18ポンド
③ アズダ(Asda) 82.55ポンド
④ テスコ(Tesco) 82.67ポンド
⑤ セインズベリー(Sainsbury’s) 83.46ポンド
⑥ モリソンズ(Morrisons) 85.98ポンド
⑦ オカド(Ocado) 89.20ポンド
⑧ ウェイトローズ(Waitrose) 91.80ポンド
ワシントン州西部シアトル、タコマ地区で9店舗を展開している1971年創業のアップスケール・グルメスーパーマーケットチェーンのメトロポリタン・マーケットが、8月30日にシアトルのクラウンヒルに10店舗目となる新しい店舗をオープンします。
ローカルとフレッシュを前面に押し出し、生鮮食品の陳列が美しく、常に頭の揃った青果が圧巻で、ボリューム感を絶やさず、常に従業員が店内を巡回し、商品の補充を行い、デリやサラダ、ホットミール、スープバーなどヘルシーな食材を提供することで大人気となっており、30年以上前にコッパーリバー・サーモンをいち早く仕入れたたことでも知られているメトロポリタン・マーケットは、全ての店舗に対面の精肉コーナーとベーカリーコーナーを持ち、顧客へのきめ細やかなサービスを提供して人気のローカルチェーンです。
Metropolitan Market Crown Hill
8532 15TH AVE NW
SEATTLE, WA 98117
ショップライト、プライスライト、フェアウェイ等ニューヨークおよびニュージャージーで約360店舗を展開しているウェイクファーン・フード・グループが、インスタカートによるスマートショッピング・カート(Instacart Caper Shopping Cart)の導入を進めます。
インスタカートが2021年に買収したケイパー社のスマートショッピング・カートを実店舗に導入する初のケースとなり、まず最初にニュージャージー州のショップライト(Spotswood店)とマンハッタンのフェアウェイ・マーケット(Kings Bay店)に導入されます。
AIを搭載したこのスマートカートは、事前に買い物リストを登録することで、商品の場所へ案内してくれ、カートに入れた商品価格を自動的に計算し精算まで行うことが可能で、レジを通る必要が無く、スムーズな買い物体験が可能となります。
フランスのウニベイル・ロダムコ傘下のショッピングモール運営会社のウェストフィールドが、2024年までにアメリカで展開している全てのショッピングモールを手放すということです。
その手始めとしてサンフランシスコのWestfield San Francisco Centreを手放します。
Westfield San Francisco Centreはユニオンスクエア向かいのマーケットストリートの一等地にあり、コロナ禍前までは人気のショッピングスポットとして2019年には970万人の買い物客が訪れましたが、2022年には560万人まで減少しました。4月には旗艦店のノードストロムがWestfield San Francisco Centreから撤退すると発表したばかりです。
アメリカの平均地価価格の3倍以上となるサンフランシスコでは、多くの住民が他都市へ引っ越しをしており、2023年1月には30,200人が転居したということです。また、報道されているように小売店での略奪や万引きなどによる治安悪化も大きなネガティブ因子となっているようです。
今後ウェストフィールドはヨーロッパでの事業に集中して行くということです。
2022年度のアメリカにおける処方薬売上額によるドラッグストアの市場シェアランキングが世界最大の統計データプラットフォーム運営会社Statsitaから発表されました。
1位 CVS Health 25.6%
2位 Walgreens Boots Alliance 15.5%
3位 Cigna 11.2%
4位 UnitedHealth Group 6.9%
5位 Walmart 4.4%
6位 The Kroger 3.1%
7位 Rite Aid 2.3%
8位 Humana 1.8%
9位 Albertsons 1.2%
10位 Publix 1.1%
CVSが25%を超える圧倒的売り上げシェアを誇っております。
アメリカの小売店舗における万引きや強奪は大きな社会問題になっており、今年4月にはサンフランシスコのホールフーズ旗艦店(トリニティ・パレス)がオープンして1年でしばらく閉店すると発表しました。
頻繁に発生する商品強奪事案のため、スタッフの安全優先ということでの暫時閉店処置となりました。
またウォルマートも4月にシカゴの4店舗を治安悪化による万引き・強奪による被害が止まらないことを理由に閉店しました。
全米小売業協会(NRF)の最新のデータによると、アメリカの小売業店舗で発生した万引きや強奪による被害額は、2020年908億ドル、2021年945億ドルだったということです。
この店舗は2018年にボストン郊外のネイティックモールの旗艦店としてオープンした同社初の2層構造の店舗で、店舗サイズは約13,500㎡です。2層構造の店舗内をカートのまま移動できるエスカレーターを設置した、ウェグマンズ中でも最も大きなサイズの店舗のひとつで、日本からも多くの視察ツアーが訪問している店舗のひとつです。
閉店理由は、売上が想定よりも下回る状態が続いているからということです。
イギリスのスーパーマーケットチェーンで2番目のシェア(14.8%)を持つセインズベリー(Sainsbury’s)が、ロンドンの西約80キロのハンプシャー州フック(Hook)にこれまでで最もエネルギー効率の高い超省エネ店舗をオープンしました。
約2,300㎡のスーパーストアで、従来のセインズベリー店舗に比べて約半分程度のエネルギーしか使用せず、高エネルギー効率を謳う同業他社の店舗に比べても約25%ほど省エネを実現しているということです。使用電力は100%再生可能な電力を使用しており、化石燃料は一切使用していません。
屋根には700枚以上のソーラーパネルを設置し、年間最大300メガワット(MWh)の発電を実現しています。
店舗内照明は自然光をメインに利用しており、照明も100%LED利用で、明るさセンサーにより自動的に照明を調節するなど徹底的に省エネにこだわった店舗です。
ウォルマートが2024年度の第1四半期(2月~4月)の決算を発表しました。
売上高は前年同期比で7.6%増の1,523億ドル、国内既存店売り上げも前年比7.4%増と好調を維持しており、35期連続で前年を上回る結果となりました。
好結果の最大のポイントはこの期間の同社デジタル部門の売り上げが27%増加したことだということです。また傘下の会員制ホールセールクラブのサムズ・クラブの売上も前年比4.5%増の205億ドルとこちらも堅調な伸びを示しています。
不採算店舗を閉鎖したり、傘下企業の整理を進める中で結果を出しているウォルマートですが、今後もその動向に注目して行きます。
ニューヨークおよびニュージャージーにて7店舗を展開している人気のSMチェーンのスチュー・レオナルド(Stew Leonard’s)ですが、次期は未定ですが2024年にニュージャージーに2番目の店舗をオープンすると発表しました。場所はニュージャージー州クリフトン(Clifton)にあるスタイヤータウン・ショッピングセンター(Styertowne Shopping Center)内で店舗面積は約5,000㎡とのことです。
2019年にパラマス(Paramus)にオープンした1号店から僅か20キロほど南に位置しています。
マンハッタンからのアクセスも良く今から話題となっています。
1971年創業で、全米最大のホームファッションチェーンのベッド・バス&ビヨンド(Bed Bath & Beyond)は、ライバル企業がeコマースへの投資を進める中新規出店ペースを維持して実店舗にこだわってきた結果、ここ数年経営不振が続いてました。2022年8月不採算店舗150店舗の閉鎖とスタッフの20%削減を発表しましたが、好転することは無く、2023年4月に破産申請をしました。
これによりベッド・バス&ビヨンド360店と系列のバイバイ・ベビー120店の清算を開始したということです。
事実上の破産申請で、今後資産の買い手を模索するということです。
不採算店舗の閉鎖やフルフィルメント施設従業員のレイオフなどを進めているウォルマートが、2017年に3.1億ドルで買収したD2Cメンズウェアブランドのボノボス(Bonobos)を管理会社WHPグローバルおよびアパレル小売のエクスプレスに7,500万ドルで売却すると発表しました。
ウォルマートは2017年にJet.comをはじめ婦人服ブランドModcloth、アウトドアブランドMoosejaw、Bonobosなどの買収を進めましたが、いずれも現在までに売却ということになりました。
Bonobosはウォルマート傘下となってからの業績が停滞していたことが最大の要因のようです。
B2B専門の食品小売り関連情報サイトを運営しているWinsight Grocery Business社によると2023年3月のアメリカにおける食品小売店舗の新規出店は40店舗という記録的な数値だったということです。
ちなみに2月は17店舗、1月は29店舗の新規出店が確認されています。
新たにオープンした40店舗のうち、アメリカ38州およびワシントンDCで約2,290店舗を展開しているドイツ発のハードディスカウントチェーンのアルディ(Aldi)が17店舗と群を抜いています。
2022年中に2,500店舗まで出店するという計画は新型コロナウィルスにより遅れているものの、ここにきてアルディの新規出店が再加速しています。
2番目はパブリクス(Publix)の5店舗、ゴードン・フードサービス(Gordon Food Service)が4店舗、スプラウツ・ファーマーズマーケット(Sprouts Farmers Market)が3店舗でした。
大手調査会社Circana(旧NPD Group)社によると、2023年度第1四半期(3月26日終了)の北米グロサリー小売市場におけるプライベートブランドの売上が、前年同期比で10.3%増と大幅にアップしたいうことです。
これによりグロサリー小売の北米市場における売り上げベースのシェアは19.1%(前年18.5%)となりました。(ユニットベースのシェアは20.8%:前年20.3%)
緩やかになったとはいえ長期化するインフレ環境が低価格なプライベートブランド商品の売り上げを押し上げたかたちとなりました。
グロサリー17部門のうち15部門でプライベートブランドの売上が伸びたということですが、特に次の部門の売り上げが拡大しました。
・飲料品 17.1%
・ベーカリー 16.8%
・一般食品 16%
・冷凍食品 15.5%
ウォルマートがアメリカ国内の不採算15店舗を年内に閉鎖すると発表しました。
一部ピックアップ専門の店舗はすでに閉鎖済みです。
1月27日に発表された2023年度の売上は前年比で8.3%増と好調な業績を維持していますが、2月にフルフィルメント施設で働く従業員を中心に数百名のレイオフを発表するなど、長引くインフレによる景気の不透明感への対応も進めています。
2023年1月末現在、ウォルマートはアメリカ国内で5,317店舗を展開しており、そのうちオンライン注文品のピックアップに対応しているのは4,570店舗となっています。
閉鎖する15店舗についての詳細はイオンコンパスまでお問い合わせください。
ドイツの大手小売企業のレーヴェ(REWE)はドイツ国内で約6,000のハイパーマーケット、スーパーマーケットおよびコンビニエンスストアを展開してますが、先日最大規模のハイブリッド店舗をケルンにオープンしました。
このハイブリッド店舗は従来の対面式のレジの他に、トルコのスタートアップ企業で、コンピュータービジョンを駆使してJWO(Just Walk Out~商品を手に取りレジを通らずそのまま退店)技術を導入したPick and Goと呼ばれる店舗で、ドイツ国内4店舗目となります。
(最初の3店舗はケルン、ベルリン、ミュンヘン)
2023年3月にオープンしたこの店舗は約600㎡のサイズで、SKUは約13,000です。
2018年1月に最初の店舗をオープンし、現在アメリカ国内で28店舗となっているJust Walk Outテクノロジーを導入したキャッシャーレスのコンビニエンスストアのアマゾンゴーですが、シアトルの2店舗、ニューヨークの2店舗およびサンフランシスコの4店舗を4月02日で閉鎖すると発表しました。
アマゾン4スター、アマゾンブックス等の実店舗68店舗の閉鎖を発表してからちょうど1年になりますが、昨年末から今年にかけて約18,000人の従業員を解雇するなどこれまで順調と思われていた同社実店舗ビジネスに変化が表れています。
今回閉鎖となる8店舗は、不採算店舗および盗難多発などにより既に閉鎖されている店舗が殆どのようです。現在アマゾンの実店舗としては、535店舗のホールフーズ、44店舗のアマゾンフレッシュ、2店舗のアマゾンスタイルおよび28店舗のアマゾンゴー(8店舗は閉鎖)となります。
イオンコンパス注目企業の一つ、カリフォルニアを拠点にワシントン州、オレゴン州、ペンシルベニア州、アイダホ州、ネバダ州、ニュージャージー州およびメリーランド州で約440店舗を展開しているグロサリー・アウトレット(Grocery Outlet)は、全国のナショナルブランドのサプライヤーから、在庫余剰品、消費・使用期限の短いもの等を直接仕入れて、一般のスーパーマーケットよりも40%~70%も安い価格で提供するビジネスモデルで右肩上がりの成長をしており、2022年度も純売上高前年比16.2%増、純利益4.4%増という好調な結果を残しました。
ナショナルブランドの安売で成長してきた同社は自社ブランドの商品というものはほぼゼロですが、今後の成長戦略の大きな柱としてPB商品の開発を進めると発表しました。これによって消費者に商品を低価格で提供するだけでなく、同社でしか買えない商品を開発することで更なる差別化を図りたいということです。
同社は2023年中に25~28店舗を新たにオープンする予定ということで、今後も注目すべき企業です。
アメリカのシンクタンク大手コアサイト・リサーチ(Coresight Research)社の最新のレポートによると、2022年1年間の小売店舗の出店数は、2016年以来初めて閉店数を上回ったということです。
同社の調査によると、1年間の出店数は5,103店舗で閉店数は2,063店舗でした。
出店数増の牽引役となったのはディスカウントストア業態で1,858店舗を新規オープンしました。
一方で閉店数が多かったのはアパレル業態の750店舗でした。
最も新規出店数が多かったのはダラーゼネラルでの1,024店舗で、同社は2023年度も1,000店舗以上の新規出店を予定しています。
バージニア州を拠点にジョージア、サウスカロライナ、ノースカロライナ、メリーランド、ワシントンDC、ペンシルベニア、デラウェア、ニュージャージーおよびニューヨークで約170店舗を展開しているドイツ発ハードディスカウントチェーンのリドルですが、2023年1月18日に同社最大の店舗(約36,000平方フィート=約3,350㎡)の店舗をニューヨーク州ロングアイランドにオープンしました。
ロングアイランドでは24番目の店舗ですが、他社店舗を改装したものではなく1,200万ドルを投じて新たに建築した初の店舗で、ニューヨーク州の同社店舗では初のCO2冷媒設備を導入した環境負荷を考慮した店舗であり、同時にEV車充電設備も併設しているということです。
新店舗住所 450 Commarck Rd. Deer Park, New York
近隣競合店舗はウォルマート、ショップライト、ストップ&ショップをはじめドイツのライバルであるアルディの店舗もあります。
フィラデルフィアを拠点に急成長しているファイブ・ビロウ(Five Below)は、8歳~12歳のトゥイーンズとそれ以上のティーンズをターゲットに玩具、化粧品、ファッションアイテム等を5ドル以下というプライスポイントに設定し2002年に創業しました。
現在全米42州で約1,300店舗を展開していますが、2023年度は同社創業以来最大の店舗拡大をするということで、新たに200店舗のオープンを予定しているということです。
同社は最終的に全ての州で2,500店舗の展開を目論んでいましたが、ここにきて最大3,500店舗まで拡大する可能性があるとも発表しました。
昨年のホリデーシーズンの売上が前年同期比で11.2%アップするなど好調な業績が続いていますが、さらに既存の400店舗以上を従来の5ドルよりも高いプライスポイントの商品を扱う店舗に改装すると述べており、ターゲットとする顧客の年齢層の拡大も視野に入れているようです。
当社注目企業の一つであるファイブ・ビロウの今後の動向に注目です。