10月21日、ホールフーズ・マーケットは自社のバイヤーと専門家による2020年のトレンド予測を発表しました。ホールフーズは毎年10月〜12月に翌年のトレンド予測を発表しており、今年で5年目になります。同社の取り組みには、米国のメディアも注目しており、トレンドの発信者となることで、自ら「流行」を生み出す意図も感じられます。今回のトレンド予測のうち、いくつのものが実際のトレンドとなるでしょうか…?
ホールフーズ・マーケットの2020年のトレンド予測 トップ10 | |
1 | リジェネレーティブ農業(Regenerative Agriculture) 「リジェネレーティブ(再生可能な)農業」には多くの定義がありますが、一般的には、荒廃した土壌の回復や生物多様性の改善、炭素回収を増やすことで気候変動に良い影響となるような、長期的に環境に対して利益をもたらす、農業や放牧の方法のことです。 |
2 | フラワー・パワー(Flour Power) 新しい「フラワー(粉)」がトレンドとして予測されています。バナナなどの果物や野菜の粉末が家庭にストックされ、カリフラワー粉が売り場に並ぶなどの状況が予測されています。スーパーフードとして話題のタイガーナッツの粉末や種子粉などもトレンドになりつつあります。 |
3 | 西アフリカ産の食品(Foods from West Africa) 西アフリカ産のスーパーフードであるモリンガやタマリンドが注目されており、まだ知られていないモロコシ科の穀物やイネ科の植物であるフォニオ、テフなどもトレンドとなりそうです。 |
4 | 革新的な、冷蔵スナック(Out-of-the-Box, Into-the-Fridge Snacking) かつてはグラノーラバーや、プレッツェルのスナックしか選択肢が無かった携帯用の軽食ですが、新しい世代では「フレッシュ(新鮮)」がキーワードです。塩味のついたゆで卵や、野菜のピクルス、飲めるスープ、様々なディップなどが一人分の少量パッケージになって販売され、トレンドとなりそうです。 |
5 | 大豆だけではない、植物由来(Plant-Based, Beyond Soy) いくつかの商品は「ノー・ソイ(大豆不使用)」をうたっており、来年は大豆の代わりに穀物やリョウトウを使った植物由来食品がトレンドとなりそうです。ブレンドした植物由来食品をヨーグルトなどのクリーミーな食品に似せることも考えられています。 |
6 | エブリシング・バターズ・アンド・スプレッズ(Everything Butters and Spreads) スイカの種を使ったバターなど、タヒニ(胡麻ペースト)を超える種子を使ったバターや、季節商品であるカボチャバターが一年中販売されるだろうと考えられています。カシューナッツやアーモンド、ピーナッツではないナッツバターや、ハムスではないひよこ豆のバターなどもトレンドとして予測されています。 |
7 | キッズメニューの再考(Rethinking the Kid’s Menu) 多くの親は子どもの食事をより楽しくしたいと思うと同時に、より良い材料や健康への影響を考えるようになっています。 |
8 | 単純ではない砂糖(Not-So-Simple Sugars) フルーツソースや甘いシロップに含まれている甘味料の削減や、カップ1杯分の砂糖の代替となるカロリーゼロの非血糖代替品であるSwerveが注目を集めています。 |
9 | ミート・プラント・ブレンド(Meat-Plant Blends) 肉屋と食肉ブランドにも2020年の「植物由来」の流行が影響しそうです。ただ、ビーガンではなく、植物由来の材料を肉に加えるということがトレンドとなりそうです。 |
10. | ゼロ・プルーフ・ドリンク(Zero-Proof Drinks) ユニークなノンアルコール飲料が各所で登場しています。多くは、通常のアルコールの蒸留方法を使ってクラシックカクテルの風味を再現することや、それ自体を飲むのではなくミキサーと共に使われるリカーの選択肢が増える事が予想されています。 |
2019年にホールフーズが発表したトレンドのキーワードは、健康や環境に配慮した持続可能性につながるもので、近年の潮流でもあります。また、様々な植物由来食品も注目されているようです。
上記ランキングの原文が掲載されいるホールフーズのHPには、紹介しているトレンドに沿った商品が見られるよう、商品の詳細ページへのリンクがあります。文章だけではなかなかイメージのつかないトレンドも多いと思いますので、ぜひご確認ください。
ホールフーズ公式HP:https://media.wholefoodsmarket.com/news/whole-foods-market-predicts-top-10-food-trends-for-2020
また、1年前のホールフーズによるトレンド予測が実際にトレンドとなったのか、ぜひ昨年のランキングもご覧ください。
(2019.11.1配信)
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