アマゾン効果いかに!?ホールフーズ最新情報

アマゾンが全米最大のナチュラル・オーガニックフードチェーンの「ホールフーズ」を総額137億ドルで買収すると6月に発表し、世界的なニュースとなりました。またアマゾンは買収手続きが完了した8月28日から、早速ホールフーズでの新しい取り組みをスタートさせました。今回のメールマガジンでは、アマゾンならではのその取り組みと効果についてご紹介します。

 

アマゾンが行った取り組みの最大の目的は、徐々に遠のいていた客足を復活させることでしたが、ホールフーズにつけられた’ホールペイチェック(給料全部が消えてしまうほど高額)‘というマイナスのイメージを払拭する、という目的もありました。

 

まず一つ目の取り組みとして、アマゾンはホールフーズの買収手続きが完了した8月28日に、早速、生鮮食品等の一部商品の値下げを、ホールフーズ全店舗で実施しています。ホールフーズの値下げは大きなニュースとなり、位置情報を利用した市場調査会社のフォースクエア・ラブ(Foursquare Lab)社のデータによると、アマゾン買収確定後の2日間の来店者数は、前年同時期比で約25%もアップしたということです。

 

ホールフーズが実際にどの程度販売価格を下げたのかについては、様々なメディアが独自の調査結果をレポートしています。今回はその中から、世界的経済ニュースチャンネルCNBCの電子版がまとめたデータをご紹介します。ベーシックな日用アイテム10品目について、ニューヨーク・マンハッタンのホールフーズとトレーダージョーズの価格を比較したものです。


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※CNBCデータによる

 

ホールフーズの価格は多くのアイテムで買収前から比較すると値下げされているものの、トレーダージョーズと比較すると同等、あるいはトレーダージョーズよりも高い価格設定となっています。アメリカの調査会社ゴードン・ハケット(Gordon Haskett)社によると、今回のホールフーズの値下げは、あくまでもほぼ毎日購入する商品に限定したものであり、取扱商品全体のわずか1%程度を値下げしているに過ぎないということです。しかしながら、値下げした商品の元値と新価格を併記し、さらに’More to come’(まだまだ値下げは続く)というメッセージを前面に打ち出すことで、実際の値下げよりもお買い得感のアピールができ、次回もここで買い物をしたいという気持ちにさせているとのことです。ドイツを拠点とした世界的なコンサルティング企業、サイモン・クチャー&パートナーズ(Simo-Kucher & Partners)の創立者であり、コンサルタントのハーマン・サイモン(Herman Simon)氏によると、これには、アマゾンがオンラインマーケットで育んだ手法が活用されているとのことです。

 

アマゾンがホールフーズ買収確定当日に実施した二つ目の取り組みとして、オンライン販売があります。ホールフーズは「365」というプライベートブランド商品約2,000品目などのオンライン販売を、買収手続きが完了した当日に開始しています。Eコマースの市場調査会社のワンクリックリテール(One Click Retail)社によると、販売開始したわずか1週間で93%の商品が売り切れ、50万ドル相当の売り上げを記録したとのことです。同社CEOのスペンサー・ミラーバーグ(Spencer Millerburg)氏によると、買収確定当日にそれだけの商品をオンラインマーケットに乗せるというのは通常は不可能なことだが、アマゾンだからこそできたのであろうと述べています。

 

こうした取り組みによる競合他社への影響についてもご紹介します。

以下の表は、8月28日の買収当日から9月03日までの1週間で、いつも買い物をしている店舗ではなく、ホールフーズで実際に買い物をした顧客の行動を数値化したものです。ニューヨークを拠点として、全世界でモバイルフォンの位置情報を利用した客観的かつ利用可能な知見に変換するオルタネーティブ・データ・インテリジェンス企業である、タソス・グループ(Thasos Group)の最新のデータです。

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※Thasos Group データによる

 

数値結果から、これまで取扱商品の品質の高さでは定評のあったホールフーズが値下げを行ったことで、全米を代表する上記のようなメジャーな店舗で本来買い物をしていた顧客の中でも、特に収入レベルの高い顧客層が、一時的にホールフーズに流れたのであろうという分析がされています。

 

ホールフーズが値下げを行ったということは大きなニュースになり、早速効果がでていますが、値下げやオンライン販売を短期間で効果的に行うことも、アマゾンだからこそできたことと言えます。結局主役はアマゾンと言えるのではないでしょうか。

 

現在アマゾン社は、シアトルの本社とは別の場所に2番目の本社を設置すべく検討しており、全米の多くの都市がアマゾンの誘致に躍起になっているということです。これほど大きな影響力を持つにいたったアマゾンの取り組みには、今後も注目をしていきたいと思います。

(記事配信:2017.10.10)

 

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