世界的な経済ニュースチャンネルCNBCの電子版にて、1平方フィート(約30cm×30cm)当たりの米国小売業売上高トップ5の企業が発表されていますので、ご紹介します。
1平方フィート当たりの売上高は小売業にとって業績のひとつの基準となりますが、商業用不動産の調査会社であるCoStar社の調査によると、2000年代前半から同売上高が減少傾向にあるとのことです。具体的には、2000年代前半は平均375USドルであった売上高が、現在は325USドルまで落ち込んでいるとのことです。これは、オンラインでの買い物が普及してきたことが原因と考えられますが、ご紹介するトップ5は、いずれ実店舗ビジネスで業績を伸ばしている企業です。
≪1平方フィート当たりの売上高トップ5≫
順位 | 企業名 | 業種・業態 | 1平方フィート 当たりの売上高 |
1 | Apple(アップル) | 電子機器 | 5,546USドル |
2 | Generation Next Franchise Brands (ジェネレーション・ネクスト・ フランチャイズ・ブランズ) | 食品販売(ヨーグルト自販機) | 3,970USドル |
3 | Murphy USA(マーフィーUSA) | ガソリンスタンド、コンビニエンスストア | 3,721USドル |
4 | Tiffany&Co.(ティファニー) | ジュエリー | 2,951USドル |
5 | Lululemon(ルルレモン) | アパレル | 1,560USドル |
1位は、全米売上高ランキングで13位にラインクインしている、アップルです。2位には映画館やショッピングセンター、空港などにヨーグルトの自販機を設置している、ジェネレーション・ネクスト・フランチャイズ・ブランズが入りましたが、アップルとは1,576USドルもの差が開いています。また、3位には、全米でコンビニエンスストア併設のガソリンスタンドを約1,400店舗運営している、マーフィーUSAが入っています。ジュエリー販売で著名なティファニーは4位でした。
注目は、第5位にランクインしているルルレモンです。倒産が相次ぐなど、苦戦しているアパレル業界ですが、昨今のアスレジャーブームを受け、好調な業績を上げています。アスレジャー(Athleisure)とは、アスレチック(運動)とレジャー(余暇)を組み合わせた造語で、欧米だけでなく日本でもファッショントレンドになっています。
ルルレモンは、カナダ・バンクーバー発のヨガウェアブランドです。1998年に創設され、2000年に1店舗目をバンクーバーでオープンしています。素材や品質にこだわり、女性が魅力的に見えるスポーツウェアを販売して人気が広がりました。近年のヨガブームにも押され、カナダ・アメリカを中心に、著しい成長を続けています。ミレニアル世代にも人気のあるブランドとして知られており、世界的出版社でありマルチメディア企業のコンデ・ナスト(Conde Nast)が実施した、ミレニアル世代の好きなブランドランキングでも8位に入っています。トレンドに乗り実店舗での業績を伸ばす、ルルレモンの今後に注目です。
≪お知らせ≫
過去2回のメールマガジンで特集しましたリッチモンドの視察コースが完成いたしましたので、ご案内いたします。以前よりご案内しておりました、11月の流通視察ツアーに急遽、コースを追加しています!ぜひ、最新小売激戦地区であるリッチモンド訪問コースのご参加を是非ご検討ください。
(2017.08.21配信)
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