トレーダー・ジョーズで買い物上手?店内買い物満足度ランキング

北米の食品小売り企業で最も優れた「店内買い物体験(インストア・ショッピング・エクスペリエンス)」を提供しているのはどの企業か、という調査の結果が発表されていますので、ご紹介します。この調査は、イスラエルに本社を持ち、ニューヨークとロンドンを拠点に小売り企業に対するビジネス・ソリューションを提供しているコンサル企業のCB4社が、約1,500人の消費者を対象に6か月間にわたり、実施したものです。

この調査では、対象となった全消費者による評価を以下の3つのカテゴリーごとにまとめ、それぞれ上位5社を発表していますので、ランキング形式でご紹介します。

【カテゴリー別ランキング】

① 商品在庫充実度:常に欲しいものが購入できたかどうか(パーセント表示)

1

エイチイーバット(H-E-B)

52%

2

トレーダー・ジョーズ(Trader Joe's)

47%

3

アルディ(Aldi)

44%

4

パブリクス(Publix)

42%

5

ウォルマート(Walmart)

41%

②     商品陳列方法〜欲しい商品が簡単に見つかったかどうか(5点満点)

1

ウォルマート(Walmart)

3.84

2

パブリクス(Publix)

3.78

3

クローガー(Kroger)

3.62

4

トレーダー・ジョーズ(Trader Joe's)

3.59

5

エイチイーバット(H-E-B)

3.56

③ 全体的な店内での買い物満足度(5点満点)

1

トレーダー・ジョーズ(Trader Joe's)

4.32

2

パブリクス(Publix)

4.24

3

クローガー(Kroger)

4.05

4

アルディ(Aldi)

3.90

5

エイチイーバット(H-E-B)

3.87

また、これらのカテゴリー別の評価を、CB4社が100点満点に数値化してまとめた上位10社は、以下の通りです。

【総合ランキング上位10社】

1

トレーダー・ジョーズ(Trader Joe's)

68.47

2

パブリクス(Publix)

67.76

3

エイチイーバット(H-E-B)

67.08

4

ウォルマート(Walmart)

65.10

5

アルディ(Aldi)

64.12

6

フードライオン(Food Lion)

58.48

7

セーフウェイ(Safeway)

58.24

8

ホールフーズ(Whole Foods)

56.64

9

アルバートソンズ(Albertson's)

55.16

10

クローガー(Kroger)

46.60

今回総合評価でトップに選ばれたのは、それぞれのカテゴリーで高い支持を得たトレーダー・ジョーズでした。

今回の調査の重要な目的の一つは、アマゾンに代表されるデジタル・ネイティブ企業による急速な勢力拡大により、多くの小売り企業がデジタル化への対応に力を入れている中で、実際に店舗で買い物をしている消費者はどのように企業を評価しているのかについて数値化するということでした。その中で、デジタル化とは最も距離を置いているトレーダー・ジョーズがトップに選ばれたというのは非常に興味深い結果ではないでしょうか。

【食品のオンラインでの購入について】

オンラインでの食品購入は伸びているものの、食品小売り専門の調査会社ブリック・ミーツ・クリック(Brick Meets Click)社の昨年の調査によると以下のような数値も発表されています。

・北米での食品小売り全体に占めるオンライン売り上げシェアは5.5%

・オンラインで食品を購入したことのある家庭の割合は約30%

また、システム管理を専門として消費者動向なども調査しているヴィクソー(Vixxo)社による最新の調査によると、オンラインによる食品購入という新たな選択肢が増えているものの、同社がヒアリングを行った約1,260人の消費者のうち87%が食品は実店舗で購入したいと回答しているということです。

【トレーダー・ジョーズの強みについて】

上記のような社会的な背景もあり、やはり食品については実店舗での購入が好まれている傾向がわかりますが、それ以外にもトレーダー・ジョーズが顧客に高い支持を得る理由をご紹介します。

①プライベートブランドによる圧倒的な商品力

昨年10月のメールマガジン「米国消費者に人気のプライベートブランド(PB)は?」では、トレーダー・ジョーズがトップになったことをお伝えしました。更に、この結果を裏付けるように、昨年末にカナダのトロントを拠点にする市場調査会社のブランドスパーク・インターナショナル(Brand Spark International)社が行った「最優秀新製品賞(The Best New Product Awards)」においてトレーダー・ジョーズとアルディがトップに選ばれました。

トレーダー・ジョーズの新商品から選ばれたのは以下の3点です。

・BBQ Seasoned Spatchcocked Chicken (バーベキュー風味スパッチコックチキン)

・Organic Italian Artisan Pasta (オーガニック・イタリアンパスタ)

・Uncured Ham & Swiss Cheese Flaky Croissant (生ハムとスイスチーズフレークのクロワッサン)

受賞した新商品以外にも、トレーダー・ジョーズは「Two-Buck Chuck〜2ドル以内($1.99)で買えるワイン(=現在は$3.99)」をはじめ、全商品の9割を超える高品質で低価格なプライベートブランドによる圧倒的な商品力が強みです。

②高品質なスタッフによる顧客サービス

昨年7月のメールマガジン「米国人気スーパーマーケットランキング2018」でもご報告したように、トレーダー・ジョーズは店内ショッピング体験にとって非常に重要な「レジのスピード」や「スタッフの親切さ」といった部門でトップになっています。やはり店舗内でのより良いサービスを提供できる企業が人気となるようです。

③高い従業員満足度

今年に入り、「アメリカの最も優れた雇用者〜America’s Best Employer」にトレーダー・ジョーズが選ばれました。ドイツに本社を持つ世界的オンライン統計を行っているスタティスタ(Statista)社と、アメリカの大手経済紙のフォーブス(Forbes)社が共同で行った調査で、従業員5,000人以上の企業を対象に、約5万人の従業員に対して行った最新の調査です。

調査は①組織内の雰囲気 ②報酬 ③労働条件の3項目に絞って数値化したもので、トレーダー・ジョーズは10点満点で9.59という高得点でトップになりました。 ちなみに2位はサウスウェスト航空で9.54ポイント、4位にコストコが9.39ポイントで入っています。

食品小売り企業として、店内買い物満足度で高い評価を得たトレーダー・ジョーズは、顧客満足度や従業員の満足度も非常に高い企業というこことがわかります。

2025年には1,000億ドルを超えると予測されているオンラインによる食品小売り市場において、今後トレーダー・ジョーズがどのように顧客の心を掴み続けていくのか注目をしていきたいと思います。

(2019.4.26配信)

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