米国モールの救世主?コワーキングビジネス

昨年から厳しい経営状況にある米国モールの再活性化への取り組みについてご紹介していますが、今回のメールマガジンでは米国モールの最新の状況と、新たな取り組みとして注目されている「コワーキングスペース」の導入についてご紹介します。 

まず、米国モールの現状についてですが、商業用不動産情報サービスのレイス(REIS)社によると、2018年度の第2四半期における、米国のモールの空室率は8.6%であり、過去最大だった2011年第3四半期の9.4%以来最も高い空室率となったとのことです。建物外からのみ各店舗に入店できる形態のストリップモールに至っては、約380万平方フィート(約35万3,000㎡)の空室面積となっており、空室率は10.2%にまで達しています。 

レイス社によると、この空室率の悪化に最も影響を与えたのは、トイザラス(Toys R Us)の倒産によるモールからの撤退であり、過去9年間に倒産等で撤退した企業の中で最もインパクトがあったということです。 

昨年4月のメールマガジン「実店舗の栄枯盛衰・・・北米小売企業の最新事情」にて、2017年4月時点に予定されていた小売店舗の閉店の状況についてご報告しましたが、小売業界のシンクタンクのコアサイト・リサーチ(Coresight Research)社の調査によると、2017年度の北米小売企業の店舗閉店数は7,066店舗であったということです。 

また、同社の最新のデータによると、2018年度の7月時点で発表されている閉店数は4,204店舗で、その中でもトイザラスが881店舗を閉店し、モールの空室率だけでなく、米国の小売市場全体に大きな影響を与えているということです。 

元々、米国は国民一人当たりの小売りスペースが広く、一人当たりの小売店舗数が多い国と言えます。米国の格付け会社であるモーニングスター(Morning Star)社のデータによると、以下の表のとおり、米国は国民一人あたりの小売りスペースが24平方フィートと、他国に比べて極端に広く、小売市場が厳しい競争に晒されていることがわかります。ちなみに日本は米国の1/6程度とのことです。


国民一人あたりの小売りスペース(単位:平方フィート)
アメリカ
24
カナダ
16

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