米国小売、変化するブラックフライデー

最近、日本でも耳にするようになった「ブラックフライデー(Black Friday)」のそもそもの起源や、米国での近年の状況についてご紹介します。

 

ブラックフライデーは米国の感謝祭(サンクスギビングデー)からきた慣習ですが、現在は欧州や日本の小売業にも広がっています。

米国では、サンクスギビングデー(第4木曜日)の翌日が「ブラックフライデー」であり、今年のサンクスギビングデーが11月28日であることから、米国のブラックフライデーは11月29日(第5金曜日)です。日本では、第4金曜日である22日に、米国より一足先にブラックフライデーとしてセールを行っている企業も多くありましたので、耳にした方も多いのではないでしょうか。日本では、年末商戦前の新たなセールとして、取り入れる企業も増えてきましたが、米国のブラックフライデーは、クリスマスを控えた年末商戦の皮切りの日であり、一年のうちで最大のセールを実施する日でもあります。今年は、ブラックフライデーが例年よりも遅く、ブラックフライデーからクリスマスまでの年末商戦期間が26日と短くなっています。昨年は32日間の期間がありましたので、小売業にとっては不利になるとの懸念もあるようです。

 

ブラックフライデーという呼び名の由来は、「この日一日で、赤字店舗の売り上げが黒字転換するほど跳ね上がる」規模のセールを行うところからきています。元々は祝日翌日の金曜より行われていたセールも、商戦が年々激化し、前倒しで前日の木曜(サンクスギビングデー)からスタートする店も増えました。

ベストバイやコールス、メイシーズなどは、今年のセールをサンクスギビングデー当日の午後5時からスタートすると表明しています。さらに、ウォルマートの24時間営業の店舗はサンクスギビングデーの前日、水曜日の午後6時からスタートし、商品が終了するまでセールを開催するとしています。

 

また、米国ではブラックフライデー当日に店舗でショールーミングを行ったネットユーザーが、オンラインで比較検討した後に購買行動を行うことから、オンラインではサンクスギビングデー連休明けの月曜日が一年のうちで最も売り上げが高くなる日となっています。そうした現象に由来し、連休明けの月曜日は「サイバーマンデー(Cyber Monday)」とも呼ばれます。

 

昨年2018年は、サンクスギビングデーからサイバーマンデーまでのホリデー期間に、全米の約1億6,600万人がショッピングをし、その売り上げ額が初めて1兆ドルに達したということです。一人当たりの購入額は846ドルで、2017年と比べて約14%のアップとなっています。このホリデー期間の売り上げは全米小売の年間売上高の約20%を占めており、米国小売企業にとってとても重要な商戦期間であることがわかります。

また、2018年のオンラインでの売上額は約1,260億ドルで、2017年(1,080.20憶ドル)からは約16.5%の伸びでした。オンラインでのショッピングということでは、サイバーマンデーが47%のシェアでトップ、2番目がブラックフライデーで25%であったとのことです。

 

サンクスギビングデーからサイバーマンデーまでの期間の売り上げについて、アメリカの分析大手企業のアーネストリサーチ(Earnest Research)社のデータをご紹介します。

 

 2016年から2018年までの代表的企業のホリデー期間の売り上げシェア

 

2016年

2017年

2018年

Amazon

32.9%

32.3%

39.0%

Walmart

37.7%

36.6%

32.8%

Target

19.6%

19.7%

18.6%

Best Buy

9.8%

11.4%

9.6%

 

2018年の売り上げシェアは、アマゾン経由でのショッピングが約40%を占め、断トツトップとなりました。アマゾンが大きくシェアを伸ばした結果、その他3社が軒並みシェアを落としていますが、昨年の最大の特徴が、無料配送(Free shipping)戦略と言われています。アマゾンがいち早くこの期間の購買に対してプライム会員以外にも無料配送をPRして先んじたことが大きな理由と考えられています。

 

また、アメリカのデジタルマーケティングの調査会社大手のイーマーケティング(eMarketing)社は、ホリデー期間の売り上げシェアをそれぞれの日ごとに分けた調査結果を発表しています。

 

2017年と2018年における、ホリーデー期間の日ごとの売り上げシェア

 

2017年

2018年

Thanksgiving Day

15.0%

16.5%

Black Friday

16.4%

17.2%

SB Saturday (SB = Small Business)

14.4%

-

Super Sunday

14.6%

-

Cyber Monday

16.5%

17.6%

 

 

サイバーマンデーの売上は年々増加しており、このデータでもブラックフライデーよりもサイバーマンデーの方に購買行動がシフトしていることがわかります。サイバーマンデーはもとより、ブラックフライデーにおいてもオンラインでのショッピングは年々増加傾向にあり、今後の各小売企業の取り組みが注目されます。

 

日本では数年前から始まったばかりのブラックフライデー商戦ですが、今後日本でも、実店舗を持つ小売業が次々と参入するような大型商戦となるのか、注目です。


(2019.11.29配信/記事作成:イオンコンパス(株)営業推進課)

 

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