前回のメールマガジンでもご紹介したドイツの2大ハードディスカウンターの一つリドルが、アメリカ進出に向けて加速しています。
アメリカの業界誌「チェーンストアエイジ」ウェブ版2月15日付ニュースによると、当初の予定(2018年から)より早め
て、今年(2017年)の夏には1号店をオープンすると発表したということです。
本部のあるヴァージニア州の他、ノースカロライナ州やサウスカロライナ州の東海岸を中心に、1号店を含む20店舗をオープンし、年内に100店舗を目指すとのことで 、最終的には全米で600店舗の展開を目標にするということです。
前週には、同社最大のライバルであるアルディが、アメリカの既存店約1,300店舗を、16億ドルをかけて大改装すると発表したばかりでした。
アルディは現在全米34州で約1,600店舗を展開しており、2018年中に2,000店舗を目指しています。
アメリカ進出に関してはアルディが1976年に1号店をオープンしたのに対し、リドルはようやく2015年にヴァージニアに本部を設置するなど大きく遅れているものの、同社が従来標準としているノーフリル(装飾無しの簡易な商品展示)での価格競争ではなく、アルディの店舗に比べて2倍近い売り場面積(840〜1,000坪)など、よりアップスケールな商品展開で対抗していくようです。
リドルはこれまで欧州での店舗展開に重点を置いてきており、 現在欧州を中心に27か国で約10,000店舗を展開しています。その結果アルディと激しく競合しているものの、本国ドイツ以外ではアルディより優位に立ってきました。
アルディは18か国で約10,000店舗を展開中です。(北アルディ傘下のトレーダー・ジョーズ約400店舗含む)
※アルディは1960年代創業家の兄弟の枝別れにより、北アルディと南アルディに分社し、南アルディのアメリカ進出は1976年、北アルディは1979年のトレーダージョーズの買収によってそれぞれがアメリカ進出を果たしました。
リドル | アルディ | |
ドイツ | 3,000 | 4,200 |
フランス | 1,500 | 900 |
英国 | 630 → 1,500 | 620 |
スペイン | 530 | 270 |
イタリア | 550 | 未進出 |
※欧州主要国での店舗数
リドルのアメリカにおける店舗展開について、同社のホームページ上では以下のような条件で店舗用地情報の提供を受け付けており、ここからも店舗サイズ等に関する同社の戦略が見て取れます。
店舗用地に関してリドルが設定している基準:
*リドルが出店を計画しているエリアであること
*信号機のある交差点から視認性の良い立地であること
*36,000平方フィート(約1,000坪)の店舗と180台分のカーパーキングスペースがあること
*人口密集地から3マイル以内であること
*既存の小売店舗エリア内であること
*食品小売り用の用地であること
*交通量一日20,000台以上であること
ついにリドルが全米制覇に向けて一歩を踏み出しました。今後、リドルの米国での展開にも注目していきたいと思います。
(リドルホームページでの店舗用地情報募集広告)
■□お知らせ□■
2017年度のアメリカ流通視察の募集パンフレットを公開しました。
▼パンフレットデータはこちら
http://www.ryutsu-shisatsu.com/image/2017_america.pdf
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