英国の市場調査会社である「カンター・ワールドパネル(Kantar Worldpanel)」は、2017年2月7日に、おおよそ2016年11月〜2017年1月の12週間の英国食品小売企業の市場シェアランキングを発表しました。長年、12週間毎に調査を行ってきた同ランキングでは、英国企業が5位までの上位を占めてきましたが、1月29日発表の調査で、初めてドイツの大手ディスカウント・ストア、アルディが5位に入りました。これまで5位の座を守ってきた「コープ(Co-Op)」は、市場シェアに変化はないものの、6位に順位を落としました。
最新の各社の市場シェアは以下の通りです。
英国食品小売企業 市場シェア最新ランキング (おおよそ2016年11月〜2017年1月)
順位 | 小売企業名 | 2016年11月 〜2017年1月 | 2014年 3月〜5月 |
1 | テスコ(Tesco) | 28.1% | 29% |
2 | セインズベリーズ(Sainsbury's) | 16.5% | 16.5% |
3 | アズダ(Asda) | 15.6% | 17.1% |
4 | モリソンズ(Morrisons) | 10.9% | 10.9% |
5 | アルディ(Aldi) | 6.2% | 4.7% |
6 | コープ(Co-Op) | 6.0% | 6.0% |
7 | ウェイトローズ(Waitrose) | 5.3% | 5.1% |
8 | リドル(Lidl) | 4.5% | 3.6% |
9 | アイスランド(Iceland) | 2.3% | 2.0% |
※10位以下は特定の企業名での調査なし
英国食品小売企業は、上位4社(テスコ、セインズベリーズ、アズダ、モリソンズ)による寡占で知られていますが、市場シェアには変化が起きているようです。上位4社によるマーケットシェアは、2014年3月〜5月の調査では 73.5%でしたが、今回の最新の調査では71.1%に微減しています。今回5位に入ったアルディは1.5ポイント、リドルは0.9ポイントの市場シェアを、この3年足らずで獲得しており、ドイツ発の2大ディスカウント・ストアである、アルディとリドルの躍進がうかがえます。
本国ドイツではアルディ、リドル、ネットーといったディスカウント・ストアが市場の半分以上を占めていますが、英国でも存在感も増しているようです。またアルディは既に米国へも出店をしており、東海岸を中心に1,600店舗以上を展開しています。一方のリドルも、2017年夏頃の米国南東部エリアへの出店計画を明らかにしています。欧州だけでなく米国でも、ドイツ発のディスカウント・ストアに注目が集まりそうです。
米国進出予定のリドルについては、今後のメールマガジンで改めてご紹介したいと思います。
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