ロサンゼルス、ニューヨークなどの15都市でホールフーズやトレーダージョーズが提携している宅配代行会社「インスタカート(Instacart)」。
そのビジネスの急成長の秘訣は「橋渡し役」に徹するビジネスモデルにあるようです。
★買い物代行を引き受ける「ショッパー」の人たち
お客さまの買い物代行を引き受ける「ショッパー」は米国の運転免許証を保持している事が最低条件であり、インスタカートへの申請および、認証プログラムによる承認を経て、正式なパーソナルショッパーとして認められます。
ショッパーにとっては、配送可能な地区や時間帯を選んで登録する事ができ、柔軟な勤務条件がメリットになります。中には、スーパーで働く女性が、副業としてこのインスタカートのショッパーとして働く・・・というケースもあるようです。
高齢で重いものが買えない、事情があって買い物に出られない・・・という人にとっては、まさしく救いの存在です。さらに、ショッパーのためにInstacartはアプリを独自に開発しており、依頼者が購入を希望するお店へは最短でどの道を通れば良いか、更にどの陳列棚に目的の商品があるかまで指示を出してくれるようになっています。
★特徴的なビジネスモデル
このビジネスの特徴はズバリ「身軽さ」。
Instacartは倉庫を持たず、店舗も在庫も持ちません。
人材もアウトソースで最も消費者に近い存在から確保しています。ショッパーは消費者目線で、サービス利用者の買い物代行を引き受けてくれるわけですから、買い物代行でも「できるだけ鮮度の高く・良いものを」の視点が保たれます。
さらに、サービス利用者の需要によって、ショッパーの足を運ぶ店も決まるわけですから、その店舗で自分の買い物も行うなど相乗効果が高まります。
現在はホールフーズ、トレーダー・ジョーズ、コストコ、クローガー、セーフウェイ、H-E-B、ターゲットなどの大手スーパーやディスカウントチェーンと提携し、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴ、オースティン、ヒューストンなど、米国内の15都市でデリバリーサービスが展開されています。
amazonの提供する生鮮食品の即配サービス「AmazonFresh」や、googleの提供する「Google Shopping Express」など、様々な宅配サービスが実験展開され話題になる中で、パブリックスやクローガーなどの買い物代行を専門で行うシプト(Shipt)の話題も急上昇しています。
「いつでも」「どこでも」顧客と接点を結ぶオムニチャネル。
宅配の担い手として一般消費者が参画する事にによって、今後は更に広がりを見せていきそうです。
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