アメリカを代表する週刊誌ニューズウィーク(Newsweek)誌は、ドイツを拠点とする市場調査最大手のスタティスタ(Statista)社と共同で行った「アメリカで最も信頼できる企業(Most Trustworthy Companies in America)」の2026年版最新ランキングを発表しました。
前年から大きく順位が変動した注目企業を中心に、信頼される企業に共通する特徴について考えます。
調査対象企業の選定基準
今回の調査は、米国に本社を置き、売上5億ドル超の企業を対象に実施されたもので、約25,000人の米国居住者による企業評価に加え、ソーシャルリスニング分析も組み合わせて信頼度を測定しています。
以前、【発表!2025年「アメリカで最も信頼できる食品小売企業ランキング」】で、2025年版ランキングをご紹介しました。
2025年版では、102,000件の企業評価、304,000件超のオンライン上の言及が分析され、総合スコアは「調査結果80%、ソーシャルリスニング20%」で構成されていました。2026年版についても、約25,000人、101,000件超の評価、307,000件超の言及をもとにした調査と説明されています。
2026年ランキング結果
最新2026年版ランキング結果の最大の変化は、前年3位だったホールフーズ・マーケット(Whole Foods Market)が1位に浮上したことです。前年1位のウィンコ・フーズ(Winco Foods)は9位に後退し、クローガー(Kroger)は5位から2位へ上昇しました。
以下が最新ランキングです。
トップ10ランキング
| ランキング (昨年) | 企業名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1(3) | ホールフーズ(Whole Foods Market) | オーガニック志向 |
| 2(5) | クローガー(Kroger) | 全米最大手チェーン |
| 3(6) | クイックトリップ(Quik Trip) | ガソリン併設型コンビニ |
| 4(2) | パブリクス(Publix) | 顧客ロイヤルティ |
| 5(-) | ナチュラル・クローサーズ(Natural Grocers) | 自然派チェーン |
| 6(4) | エイチ・イー・バット(H-E-B) | テキサス州地域密着 |
| 7(15) | イングレス(Ingles) | 米南東部ローカルSM |
| 8(16) | ハリス・ティーター(Harris Teeter) | 高品質ローカルSM |
| 9(1) | ウィンコ・フーズ(WinCo Foods) | 低価格・セルフサービス型 |
| 10(-) | ピギー・ウィギー(Piggy Wiggy) | 老舗ローカルチェーン |
その他主要企業
| ランキング (昨年) | 企業名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 12(7) | フレッシュ・マーケット(The Fresh Market) | 欧州風・高級志向 |
| 17(14) | ウェグマンズ(Wegmans) | 顧客・従業員満足度 |
| 18(10) | スプラウツ・ファーマーズ・マーケット(Sprouts Farmers Market) | ナチュラル志向・低価格 |
| 21(19) | ハイヴィー(Hy-Vee) | 多機能型SMチェーン |
| 22(11) | グロサリー・アウトレット(Grocery Outlet) | ディープ・ディスカウント |
| 23(23) | ボンズ(Vons) | 高級志向 |
| 26(9) | アルバートソンズ(Albertsons Companies) | 多数ブランドチェーン |
ホールフーズが首位に躍り出た理由
2026年の結果を見ると、食品小売業における信頼は、単なる低価格だけではなく、品質、ブランドイメージ、地域との関係性、従業員や投資家から見た企業姿勢まで含めた総合評価になっていることが分かります。
特に注目されるのはホールフーズの首位浮上です。Amazon傘下という経営体制の中でも、オーガニック、ナチュラル、品質重視という明確なブランドイメージを維持しており、今回の調査では食品小売企業の中で最も信頼される企業となりました。
ちなみに、アメリカ小売業界誌大手Progressive Grocerも、ホールフーズを2026年の「最も信頼されるグローサー」として紹介しています。
一方、前年1位だったウィンコ・フーズは9位へと大きく後退しました。低価格や従業員所有型という独自性は引き続き評価されているものの、2026年はホールフーズ、クローガー、ナチュラル・グローサーズなど、品質・健康志向・大手の安定感を備えた企業がより上位に出る結果となりました。
多面化する信頼の基準
今回のランキングから見えるのは、アメリカの食品小売市場において、信頼の基準がより多面的になっているという点です。 低価格、地域密着、従業員重視に加え、健康志向、透明性、企業としての一貫したブランド姿勢が、消費者・従業員・投資家の評価に好影響を与えています。
2026年の首位交代は、米国食品小売業の競争軸が安さだけでなく、企業として信頼できるかに一段と広がっていることを示していると言えます。
アメリカ食品小売業界では、価格競争だけでは差別化が難しくなりつつあり、今後はどの企業から買いたいか、どの企業を信頼できるかが、ますます重要な競争軸になっていきそうです。