国際的なセキュリティ団体であるInternational Security Ligueによる最新の記事「From Nuisance to Strategic Threat~単なる迷惑行為から経営を脅かす存在に」によると、近年世界の小売業界では万引きが単なる軽犯罪ではなく、企業経営や店舗運営そのものを揺るがす深刻な課題として認識され始めています。
欧州のドイツとイギリスにおける深刻化する万引き問題についてレポートしているのでご紹介します。
深刻化する万引き問題~ドイツとイギリスの場合
ドイツのケース
ドイツでは、万引き被害が完全に経済問題化しており、2024年のドイツ国内の小売業における万引き損失額は約30億ユーロ(約5,000億円規模)に達しており、在庫ロス全体も約50億ユーロ規模に拡大しています。
特に深刻なのは、単独犯による衝動的犯行ではなく、転売目的の組織犯罪が増加している点ということです。
食品、化粧品、日用品などを大量に盗み、オンラインや闇市場で転売するケースが増えており、小売企業はAIカメラ、防犯ゲート、警備員増強などへの投資を速に拡大しています。万引き対策が防犯コストではなく、利益保護のための戦略投資として扱われ始めている点が特徴的です。
イギリスのケース
イギリスでは、被害額以上に件数の爆発的増加が問題視されています。英国小売業協会(BRC)によると、年間の万引き件数は550万件を超え、警察統計でも過去最高水準となっています。特に近年はセルフレジ普及との関連が指摘されており、店員が不足している、見つかりにくいことを前提に犯行が行われるケースが増加しているとのことです。
また、万引き犯による暴力・脅迫も増えており、店舗スタッフの安全問題にまで発展しています。実際に、イギリスでは消費者の約4人に1人が店舗で万引きを目撃した経験があると報告されており、万引きが日常化している点が大きな特徴とのことです。
今後も海外の小売業に関連する情報をいち早くお伝えしていきます。