米国最大のセール「ブラック・フライデー」にも変化!?

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日本では馴染みのない「サンクスギビングデー(感謝祭)」をご存じでしょうか?
収穫祝いを起源とする祝祭日で、アメリカでは11月の第四木曜日がこの祝日に該当します。
さらに、ちょうどその木曜日から3日後の日曜日はキリスト教の「アドベント(待降節・降臨節)」の開始日にあたるため、アメリカでは4日間の連休となるのです。
感謝祭には家族や親せきが集まって食事をとることが伝統で、この連休を利用して故郷へ帰省する人も多く、感謝祭前日と連休最終日は空港や高速道路も大渋滞となります。

このサンクスギビングデーに催されるイベントとして有名なのが、ニューヨーク老舗百貨店Macy’sのパレードです。その年のトレンドを取り入れた巨大バルーンの飾りの列がニューヨークの街を練り歩き、クライマックスのサンタクロースの登場でニューヨークに本格的な冬の訪れを告げる・・・というのが定番の大型イベントです。1924年から戦争中の一部の時期を除き毎年開催され、300万人を超える人々がパレードを見物する伝統ある名物イベントになっています。

一見、お祭り要素の強い祝日・・・という印象を受けますが、実はアメリカの小売業にとってはこの4日間が非常に重要な期間です。とりわけ重要なのが、サンクスギビングデー翌日の「ブラック・フライデー」で、クリスマスを控えた年末商戦の皮切りの日であり一年のうちで最大のセールを実施する日でもあります。
ブラックフライデーという呼び名の由来は、「この日一日で、赤字店舗の売り上げが黒字転換するほど跳ね上がる」ほどのセールを行うところからきています。

元々は祝日翌日の金曜より行われていたセールも商戦が年々激化し、前倒しで前日の木曜からスタートするお店も増えました。

一方で、デジタル化が進みこの商戦のトレンドにも変化が生じています。
例えば世界最大の小売企業であるウォルマートでは、2014年よりブラック・フライデーの大安売りを廃止しています。このセール期間中でも、競合他社と比較して価格をマッチングさせることができるアプリを持っているため、自社が先行して値引きする必要がないというのがその理由です。ウォルマートに限らず、一部の小売企業では、極端に激化したブラックフライデーの商戦にあえて参画しないという企業も増えています。
デジタル化により店舗以外に戦うフィールドが広がっていることもありますが、本来の感謝祭は家族や友人と過ごす行事であるということ、また一部のESを重んじる企業では、この日は店舗を休業し、従業員に休暇を与える動きも出ています。

また、ブラックフライデー当日に店舗でショールーミングを行ったネットユーザーがオンラインで比較検討した後に、購買行動を行うことから、オンラインではサンクスギビングデー連休明けの月曜日が一年のうちで最も売り上げが高くなる日となっています。
そうした現象に由来し、連休明けの月曜日は「サイバー・マンデー」とも呼ばれます。
ブラックフライデーのセールのあり方自体も大きく変革期を迎えている今、デジタル化がもたらす消費行動の変化から目が離せなくなりそうです。

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これまで日本にはあまりなじみのなかった「ブラックフライデー(Black Friday)」ですが、最近は日本でも耳にするようになりました。ブラックフライデーは米国の感謝祭(サンクスギビングデー)からきた慣習ですが、現在は欧州の小売業にも広がっています。日本では、年末商戦前の新たなセールとして、取り入れる企業も出てきました。小売業のイオンでは、そのまま「ブラックフライデー」として、11月末のセールを実施します。また、東京・上野のアメ横では、一足早く「上野アメ横ウェルカムモール大感謝祭」が、11月19日~20日に開催されます。 米国では、サンクスギビングデー翌日の「ブラックフライデー」がクリスマスを控えた年末商戦の皮切りの日であり、一年のうちで最大のセールを実施する日でもあります。 ブラックフライデーという呼び名の由来は、「この日一日で、赤字店舗の売り上げが黒字転換するほど跳ね上がる」規模のセールを行うところからきています。元々は祝日翌日の金曜より行われていたセールも商戦が年々激化し、前倒しで前日の木曜からスタートする店も増えました。 また、米国ではブラックフライデー当日に店舗でショールーミングを行ったネットユーザーが、オンラインで比較検討した後に購買行動を行うことから、オンラインではサンクスギビングデー連休明けの月曜日が一年のうちで最も売り上げが高くなる日となっています。そうした現象に由来し、連休明けの月曜日は「サイバーマンデー(Cyber Monday)」とも呼ばれます。 サイバーマンデーの売上は年々増加しており、ワシントン・ポストによると、今年は昨年の約31億ドルから約4億ドル増加の約35億ドルの売上が見込まれています。また、11~12月のホリデー商戦の約17%がオンライン利用によるものだと言われています。こうした、オンライン需要を取り込むため、小売業各社は様々な対抗策を打ち出しています。 米国最大の家電量販店であるベストバイ(Best Buy)や、ターゲット(Target)はそれぞれのオンラインショップで商品を購入した場合、送料を無条件で無料にすると発表しています。また、ターゲットは同社のオンラインアプリである「カートウィール(cartwheel)」専用の割引を実施するなど、アマゾンへの対抗策を打ち出しています。米国小売業最大手のウォルマート(Walmart)は、オンラインショップでの送料は通常通り、50ドル以上の購入を条件にしています。その代りに、オンラインではブラックフライデーに先駆け、既に一部商品を特別価格で販売しています。また、ウォルマートは店舗での販売も強化するため、臨時従業員である「ホリデーヘルパー(Holiday Helper)」を導入します。ホリデーヘルパーはレジや、レジ待ちをしている顧客の買い忘れた商品を取りに行くなど、顧客が混雑する店内でも気持ち良くスムーズに買い物ができるように、臨機応変にサポートします。アマゾンなどのオンラインショップに対抗するため、ブラックフライデーのセールのあり方が米国では大きく変革期を迎え、各社の試行錯誤の取り組みが感じられます。 また、11月24日の感謝祭当日は家族と過ごす風習があり、SM各社は感謝祭の夕食用の食料品販売に力を入れます。感謝祭の定番料理であるターキー(七面鳥)などを求める買い物客の需要を取り込むため、SM企業にとっても大事な日なのです。 日本では始まったばかりのブラックフライデー商戦ですが、今後日本でも、実店舗を持つ小売業が次々と参入するような大型商戦になるのか、注目です。

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