流通視察ドットコムでは、流通・小売業の皆さま向けに、海外の店舗や商業施設を訪問する視察ツアーを定期的に企画・実施しております。1名から参加できる募集型ツアーのほか、企業ごとの課題や目的に応じたオーダーメイドの視察・海外研修についてもご相談を承っています。
今回は、2026年8月の「アメリカ流通事情視察(ロサンゼルス)」に同行した当社2年目の社員による現地レポートをお届けします。話題のオリーブヤングの売場や、トレーダー・ジョーズでの質疑応答、各店舗で確認したデジタル活用を中心に、ツアーの様子と現地で得た気づきをご紹介します。
26年8月に好評いただいたロサンゼルスのツアーは、27年2月にも実施いたします。
□■募集中■□ 2027年2月出発 視察ツアー「アメリカ流通事情視察(ロサンゼルス)」
本レポートについて
今回のツアーは、2026年8月25日~29日に実施しました。ロサンゼルスとその近郊で、スーパーマーケットやディスカウントストア、ショッピングセンターなどを訪問し、商品構成や売場づくり、店舗運営の工夫を確認しました。

企業・グループでご参加の方に加え、おひとりで参加された方もいらっしゃいました。出発前にはリモートでの事前説明会を実施し、当日は成田空港で添乗員と当社スタッフが受付をご案内し、ロサンゼルス到着後は、バスで視察先を巡りました。
視察中には、ディストリクト・アット・タスティン・レガシー(ライフスタイル型複合施設)を訪問、参加者がそれぞれホールフーズやインアンドアウトバーガーの食品を選び、自由に昼食を取る時間もありました。店舗見学の合間にも、現地の買い物や食事に触れる機会がありました。
※本記事は2026年8月の視察時に確認した内容をもとにしています。設備やサービス、店舗の運用は、訪問時期や店舗によって異なる場合があります。
ロサンゼルスの注目店舗を視察
ウェストフィールド・センチュリー・シティ
最初に訪れたのは、ウェストフィールド・センチュリー・シティ(Westfield Century City)です。参加者は、それぞれの関心に合わせて店舗や売場を見学しました。

食品関連の参加者の皆さまが多くいらっしゃり、イータリー(Eataly)の前では、流通ガイドの説明に耳を傾ける姿も見られました。イータリーは、イタリアの食品販売とレストランなどを組み合わせたマーケットです。食品を購入する売場と、その場で食事を楽しむ場所が同じ施設にあり、物販と飲食の関係を考えながら視察できる場所のひとつです。
オリーブヤングの米国2号店

今回の注目店舗は、センチュリー・シティ内にオープンしたオリーブヤング(OLIVE YOUNG)です。韓国発のビューティー・ライフスタイル小売チェーンで、この店舗は2026年6月13日に開業した米国2号店です。開業から約2か月後の8月25日の訪問となりました。
店内は白を基調とした、すっきりとしたデザインでした。訪問時には、周辺のテナントと比べても来店客が多い印象があり、特に商品を試せる陳列棚の周辺が混み合っていました。若い女性を中心に幅広い年代の来店客が見られ、若い男性客の姿もありました。
品揃えでは、スキンケア・サンケア用品に多くのスペースが割かれていた点が目を引きました。目立つ位置にはANUAの広告があり、商品を並べるだけでなく、ブランドを認識してもらうための見せ方も確認できました。

同社の開業時の発表では、肌の分析に基づいて商品を提案する「SKIN SCAN」など、来店客が自分に合う商品を探すためのサービスも紹介されています。今回の視察でも、実際に商品を試している来店客の様子から、売場で試しながら選べる環境が印象に残りました。
トレーダー・ジョーズで聞いた店舗運営の工夫
店舗スタッフとの質疑応答
トレーダー・ジョーズ(Trader Joe’s)は、独自ブランドの商品を中心に展開するアメリカの食品スーパーマーケットです。今回は店舗の副店長との質疑応答の機会があり、参加者の皆さまから活発に質問が寄せられました。

特に関心が集まったのは、店長の権限のもとで行われる売場づくりについてです。トレーダー・ジョーズでは店長を「キャプテン」、スタッフを「クルー」と呼び、手描きのPOPなどにも店舗ごとの工夫が見られます。店内を見学したうえで担当者の説明を聞くことで、目の前の売場がどのように作られているのか、理解を深める機会になりました。
販売データを参考にした現場の発注判断
店内では、「Quick Item Lookup(QIL)」と呼ばれる商品検索端末を確認しました。商品名やキーワード、SKU(在庫管理上の商品単位)などから検索でき、商品によっては「Not orderable(発注不可)」という表示も見られました。

また、クルーがタブレットを使って業務を行う様子も確認しました。スタッフの説明によると、タブレットで過去の販売実績や傾向を確認し、そのときの売れ行きも踏まえて、クルー自身が発注数量を判断しているとのことでした。今回訪問した店舗では、AIによる自動発注ではなく、データを参考にしながら現場で判断する運用が説明されました。
デジタル活用を視察する際は、端末の設置だけでなく、誰がどの情報を確認し、どの判断に使っているかまで聞くと、店舗運営との関係が分かりやすくなります。今回も、画面やクルーの動きを見ることに加え、担当者から話を聞けたことで、データの使われ方を具体的に知ることができました。
同じチェーンの別店舗も訪問
この日は参加者の皆さまと相談し、コスタメサにある別のトレーダー・ジョーズも追加で視察しました。最初の店舗で聞いた売場づくりの考え方を踏まえ、別店舗と比較できた点は好評でした。
同じチェーンを複数店舗見ると、共通する運営と店舗ごとの工夫を分けて考えやすくなります。なお、最初の店舗でスタッフに勧められたハンドクリームを、お土産に購入する参加者の皆さまも多くいらっしゃいました。商品について会話をすることも、スタッフの商品知識や提案の仕方に触れる機会になりました。
買い物を支える小売各社のデジタル活用

今回の視察では、商品情報を調べる場面や、量り売りの商品を購入する場面など、日常の買い物の中に組み込まれたデジタル活用についても確認しました。ここでは、3社で見られた取り組みをご紹介します。
ホールフーズ・マーケットのデジタル計量器
ホールフーズ・マーケット(Whole Foods Market)では、量り売り商品の売場に、タッチスクリーン付きのデジタル計量器が設置されていました。商品を載せると、重量に応じた価格などが画面に表示される仕組みです。画面で価格を確認できる計量器は、購入する量を判断する際の助けになると感じました。
ターゲットの商品情報検索端末
ターゲット(Target)では、商品のバーコードを読み取って情報を確認できる端末を見学しました。価格や成分などの情報に加え、味・種類の異なる商品や、割引条件・キャンペーンの情報も画面に表示されていました。
商品の情報を売場で確認できるため、手元の商品について調べたり、ほかの種類と比較したりする際に活用できます。価格を確かめる端末に、商品選びや販促に関する情報もまとめている点が印象的でした。
ウォルマートの計量器とScan & Goの連携
ウォルマート・スーパーセンター(Walmart Supercenter)では、青果などの重量商品を計量する「Digital Produce Scale」を確認しました。計量器の画面案内では、商品を載せて計量した後、表示されたQRコードをスマートフォンで読み取り、重量・価格の情報を「Scan & Go」に反映させる流れが示されていました。
Scan & Goは、Walmart+の会員向けに提供されている、売場で商品のバーコードを読み取りながら買い物を進める機能です。量り売り商品の計量とアプリへの情報反映がつながっている点は、売場の設備とスマートフォンの連携を考えるうえで参考になりました。
今回確認した3社の取り組み
| 店舗 | 確認した設備・機能 | 買い物の中での役割 |
|---|---|---|
| ホールフーズ・マーケット | タッチスクリーン付きの計量器 | 量り売り商品の重量・価格を確認 |
| ターゲット | バーコードで検索する商品情報端末 | 商品情報や割引条件を確認し、商品選びに活用 |
| ウォルマート | Digital Produce ScaleとScan & Goの連携 | 計量した商品の重量・価格をアプリに反映 |
3社を見比べると、デジタルが使われている場面は異なります。商品の情報を調べる、購入する量と価格を確認する、アプリへ情報を反映するなど、買い物の具体的な手順と結びつけて見ることで、それぞれの設備が担う役割を整理しやすくなりました。
商業施設で見られた映像や館内案内の活用
ウェストフィールド・センチュリー・シティでは、大型の映像広告モニターや、タッチパネル式のフロアマップを確認しました。オリーブヤングの店内にも大型モニターがあり、商品・ブランドに関連する映像が放映されていました。

メイシーズ付近に設置された館内案内端末には、「TOUCH TO NAVIGATE」と表示されていました。来館者が画面をタッチして案内を確認する仕組みで、映像広告とは異なる、施設内の移動を支えるデジタル活用として見ることができました。

施設見学で訪れたテスラダイナー(Tesla Diner)は、EVの充電設備、飲食、ドライブインシアターを組み合わせた施設です。大型スクリーンでは、テスラの自動運転を紹介する映像が放映されており、施設の中で技術やブランドのイメージを伝える使い方が印象に残りました。
まとめ
今回の視察では、注目店舗の品揃えや来店客の動き、店舗スタッフによる発注判断、商品選びを支えるデジタル活用など、さまざまな場面からアメリカの小売・商業施設を見ることができました。
特にトレーダー・ジョーズでは、店舗を見学し、担当者から運営の話を聞いたうえで、別店舗との比較も行いました。目に見える売場と、その背景にある運用を結びつけて考えられたことは、今回の視察で得られた学びのひとつです。
本レポートが、海外視察でどのようなことを見て、どのように気づきを整理できるのかを考える際の参考になれば幸いです。ロサンゼルスの主要スーパーマーケットや、アメリカ小売視察の観察ポイントについては、以下の記事も併せてご覧ください。
募集中ツアーのご案内
流通視察ドットコムでは、2027年2月出発 視察ツアー「アメリカ流通事情視察(ロサンゼルス)」参加者を募集しております。
今回のレポートでご紹介した内容は、2026年8月のロサンゼルス視察で確認した事例の一部です。現地では、話題のスーパーマーケットや商業施設を訪問し、品揃え、売場づくり、デジタル活用、サービス戦略など、日本との違いを肌で感じながら学んでいただけます。最新の小売トレンドや店舗づくりを、ぜひ現地でご覧ください。
ツアーには現地在住の流通専門ガイドが同行し、視察先では店舗スタッフとのQ&Aも予定しています。レポートやオンラインの情報だけでは分からない、アメリカ小売業の”今”を体感いただける機会です。お問い合わせお待ちしております。
2027年2月出発 視察ツアー「アメリカ流通事情視察(ロサンゼルス)」
・旅行期間:3泊5日/2027年2月17日(水)~2月21日(日)
・目的地:アメリカ・ロサンゼルス
・出発地:成田国際空港
申込締切:2026年11月30日(月)
【27年2月出発】アメリカ流通事情視察(ロサンゼルス)
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