米国の食品EC市場が拡大を続けています。調査会社大手Brick Meets Clickによると、2026年7~9月期のオンライン食品売上高は前年同期比20.7%増加し、食品購入支出全体に占める割合は過去最高の20.9%となりました。前年同期比20%超の成長は8四半期連続です。一方、同期間の実店舗での購入額は前年を下回りました。
成長を牽引したのは、自宅などに商品を届けるデリバリーで、売上高は前年同期比30%超増加し、オンライン食品販売全体の増加額の75%を占めました。
一方、ネット注文後に店舗などで受け取るピックアップ利用も増加しましたが、伸び率は前年同期比の5%程度にとどまりました。宅配便による発送も増えており、3つの受取方法すべてで前年を上回っています。利用世帯の裾野も拡大しており、9月に食品をオンライン購入した経験のある世帯は全米の約64%に達し、過去最高を更新しました。
また、これまでに一度でも利用した世帯は81%となり、7~9月期の利用者1人当たりの月間注文回数も前年同期比約14%増えています。同じ月に配達、ピックアップ、宅配便の3方式をすべてを利用した人は月間利用者の17%を占め、前年から5ポイント超上昇しました。
企業間の競争では、アメリカのオンライン食品売上高の約4割を占めるウォルマート(Walmart)が、注文から1時間以内の受け取りに対応するExpress Pick-Upを導入しており、アマゾン(Amazon)も一部地域で食品の30分配送サービスを展開するなど、短時間で商品を受け取れるサービスを強化しています。
今回の調査からは、利用世帯の拡大に加え、既存利用者の注文頻度が高まり、受取方法を使い分ける傾向が強まっていることがうかがえます。地域の食品スーパーにとっても、デリバリーの速度や料金、受け取りやすさを改善しながら収益性を確保し、継続利用につなげることが重要な課題となりそうです。