トレーダー・ジョーズ 実店舗のみで勝負する大人気チェーン

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流通視察ドットコムでは、アメリカの最新小売・流通トレンドをリアルに学べる視察ツアーを定期的に開催しています。

そこで今回は、トレーダー・ジョーズが支持される理由を整理しつつ、視察で押さえるべき観察ポイントを具体的に解説します。

トレーダー・ジョーズ(TRADER JOE’S)とは?

Trader Joe’s(トレーダー・ジョーズ)は、アメリカ発のリミテッドアソートメント型スーパーマーケットです。1967年にアメリカ合衆国 カリフォルニア州で創業され、現在では全米に608店舗(2025年11月11日現在)を展開しています。

最大の特徴は、プライベートブランド(PB:独自ブランドの商品)を中心に展開していることです。品質と価格のバランスの良さで幅広い層に支持されています。

各店舗では商品の仕入れやオペレーションが標準化されており、店内デザインや従業員の接客も含めて、買い物そのものが楽しめる体験型の小売として知られています。

日本人観光客の間では、”トレジョ”の愛称で親しまれており、トレーダー・ジョーズのエコバッグがデザインや実用性の両面で高い人気を誇ります。観光途中でわざわざ立ち寄る人も少なくありません。

ビジネスモデルのポイント

自社PB(プライベートブランド)中心の「絞り込み戦略」

トレーダー・ジョーズの売場は、多くのカテゴリでナショナルブランドではなくTRADER JOE’Sブランドで統一されています。

カテゴリーごとにPBへ集約することで、仕入・物流コストの削減、価格競争力の向上、ブランド世界観の統一を実現しています。

また、オーガニック、ベジタリアン、輸入食材、ユニークな冷凍食品などもPBで積極展開しており、ラインナップで独自性を打ち出しています。限定フレーバーやエコバッグのデザインなど、購買体験の楽しさ・話題性をつくるのが上手いチェーンと言えます。

SKUを絞り込んだ効率的な品揃え

一般的なスーパーマーケットが数万SKU(※Stock Keeping Unit:在庫管理上の商品単位)を扱うのに対し、トレーダー・ジョーズは約2,000〜3,000SKU程度まで絞り込んだ「リミテッドアソートメント」が特徴です。

リミテッドアソートメントとは、取り扱う商品の種類(品揃え)を通常700~1,250SKU(アイテム数)程度に厳選・限定し、徹底して基本的で必要なアイテムだけを提供するSM形態のことをいいます。

メリットとしては以下の点が挙げられ、ディスカウント業態と専門店の“いいとこ取り”をしているモデルと言えます。

  • 商品を絞り込むことで、棚割りがシンプルになり在庫管理・オペレーションを効率化
  • 仕入れ数量を増やせるため仕入れコストを抑えつつ品質を確保
  • お客様にとっても「選択肢が多すぎない」ため、買い物時間の短縮と決定のしやすさにつながる

店舗体験で「ファン」を生み出す仕掛け

トレーダー・ジョーズの特徴として、”実店舗のみで勝負”していることが挙げられます。フレンドリーなスタッフ対応、店内のポップ・試食・季節商品の入れ替えを体験価値として強化しています。その結果、価格と楽しさの両立し人気を維持しています。

世界観をつくる売場演出・POP

店内に入ると、手書き風のカラフルなPOP や、季節のイベントを取り入れたディスプレイが目を引きます。トレーダー・ジョーズの見どころの1つです。各店舗には「サインアーティスト」と呼ばれるスタッフが1~2名在籍し、地域ごとのモチーフやユーモアを盛り込んだ装飾がなされていることが多いです。視察時には、POPにどんな情報を載せているか・価格訴求とストーリー訴求のバランス・アイテムの見せ方・陳列高さ・色の使い方などをチェックすると、売場演出と購買心理のつなぎ方が具体的に見えてくるかと思います。

また、大規模スーパーと異なり、比較的コンパクトな売場でSKUを抑え、季節・限定商品を素早く入れ替える“トレーダー・ジョーズらしい”ラインナップで独自性を打ち出しています。限定フレーバー、エコバッグのデザインなど、購買体験の楽しさ・話題性を作るのが上手く、観光客のお土産需要を取り込むところも独特です。

試食・コミュニケーションで体験価値を強化

一部店舗では、サンプル配布や試食(テイスティング) を積極的に実施しています。スタッフはフレンドリーに商品説明を行い、「おすすめの食べ方」「アレンジレシピ」なども会話の中で提案します。単なる価格比較ではなく、体験価値で選ばれる店づくりをしている点が特徴です。

ローカル密着型チェーンとしての強さ

トレーダー・ジョーズは、「近隣住民の日常使い」をターゲットとした近隣型スーパーです。駐車場の利便性や店舗サイズなど、日常の買物に適した立地を重視しながら、地域限定商品やローカル色の強い商品構成も取り入れています。

出店地域を慎重に選定(所得水準や商圏特性など)して強い常連客基盤を構築し、 トレーダー・ジョーズが地域コミュニティに深く根差すことが、顧客に店舗体験一貫性を持たせブランドへの忠誠度を支えています。

アメリカの顧客満足度調査(ACSI:American Customer Satisfaction Index)でも、スーパーマーケット(SM)部門でパブリクス(Publix)と並び、1位を獲得しており、「ローカルコミュニティに根ざしたPB主体のチェーン」として強いブランドロイヤルティを築いていることがわかります。

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ロサンゼルス視察ツアーでのチェックポイント

ロサンゼルス流通視察ツアーでは、トレーダー・ジョーズを視察する際に、ぜひ下記の観点を意識していただくと学びが深まります。

  • PB比率・SKU数と棚割り構成
  • 価格レンジと競合(ナショナルブランド)とのポジショニング
  • 冷凍食品・デリ・スナックなど重点カテゴリーの強化施策
  • 手書きPOP・店内装飾によるブランド世界観の表現
  • スタッフの接客スタイルとコミュニケーションの取り方
  • 近隣住民向けの日常使い店舗としての立地・店舗サイズ

同じPB戦略でも、日本のGMSや食品スーパーとは設計思想が大きく異なります。「なぜこのSKU数なのか」「なぜナショナルブランドを置かないのか」といった視点から、ビジネスモデル全体をぜひ現地で体感してください。

まとめ

トレーダー・ジョーズは、PB商品に集中したリミテッドアソートメント・世界観のある店舗体験・売場演出・ローカル密着のビジネスモデルによって、高い顧客満足と根強いファンを獲得しているチェーンです。巨大な在庫やEC戦争に参入せず、来店時の満足とコミュニティの支持を最大化する戦略も特徴です。

当社で実施しているロサンゼルス視察ツアーでは、こうした仕組みを実店舗で体感しながら、自社のPB戦略・店舗開発にどう応用できるかを考える絶好の機会を提供しております。ぜひ現地でトレーダー・ジョーズの強さをじっくり観察してみてください。最新のツアー情報はメールマガジンにてお知らせしておりますので、この機会にぜひご登録をお待ちしております。

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