2021年6月の弊社メールマガジン「発表!米国食品小売企業売上ランキング2021」で、アメリカ小売業界誌大手プログレッシブ・グローサー(Progressive Grocer)誌が集計したアメリカに店舗を持つ食品および消耗品(food and consumables)を取り扱う小売企業の売上高ランキングを紹介しましたが、最新の2022年度版ランキングが発表されました。
2021年ランキングにおいて、ランクインした企業の売上高合計額は、その前の年から11.6%伸びて2.112兆ドルという記録的な結果でした。今回も断続的なパンデミックによる影響を受けながらも、更に昨年比で約11%売上げが伸び、100社合計の売上高は2.275兆ドルとなりました。
以下最新の売上高トップ20企業と、その他主要企業のランキングです。
順位 | 企業名 | 売上高(100 万ドル) | 前年数値 | 伸び率 | 店舗数 |
1 | ウォルマート(Walmart US) | 393,247 | 369,963 | 6.29% | 4,742 |
2 | アマゾン(Amazon) #ホールフーズ含む | 239,150 | 213,573 | 11.98% | 662 |
3 | コストコ(Costco) | 141,398 | 122,142 | 15.77% | 564 |
4 | クローガー(The Kroger Co) | 137,888 | 132,498 | 4.07% | 2,726 |
5 | ウォルグリーンズ (Walgreens Boots Alliance) | 112,005 | 107,701 | 4.00% | 8,965 |
6 | ターゲット(Target) | 106,005 | 93,561 | 13.30% | 1,926 |
7 | CVSヘルス(CVS Health) | 100,105 | 91,198 | 9.77% | 9,939 |
8 | サムズ・クラブ(Sam’s Club) | 73,556 | 63,910 | 15.09% | 600 |
9 | アルバートソンズ(Albertsons Cos.) | 71,887 | 69,690 | 3.15% | 2,278 |
10 | アホールド・デレーズ・アメリカ (Ahold Delhaize USA) | 53,699 | 51,838 | 3.59% | 2,048 |
11 | ロブロウ(Loblaw Companies Ltd) | 52,269 | 51,859 | 0.79% | 2,439 |
12 | パブリクス(Publix Super Markets) | 47,997 | 44,864 | 6.98% | 1,293 |
13 | セブン‐イレブン(7-Eleven Inc.) | 41,034 | 17,801 | 130.52% | 12,973 |
14 | ウォルマート・メキシコ (Walmart de Mexico) | 35,965 | 32,642 | 10.18% | 2,755 |
15 | ダラー・ゼネラル(Dollar General) | 34,200 | 33,746 | 1.35% | 18,130 |
16 | エイチ・イー・バット(H-E-B) | 34,000 | 31,800 | 6.92% | 420 |
17 | C&Sホールセール (C&S Wholesale Grocers) | 33,022 | 31,450 | 5.00% | 7,700 |
18 | アリマンタション・クシュタール(Alimentation Couche-Tard) | 31,128 | 37,843 | ▲17.74% | 7,076 |
19 | コストコ・カナダ(Costco Canada) | 27,298 | 24,434 | 11.72% | 105 |
20 | マイヤー(Meijer Inc.) | 25,457 | 24,157 | 5.38% | 258 |
※Progressive Grocerデータより
このデータはアメリカ以外に本社を持つ企業であっても、アメリカ国内でビジネスを展開している全ての小売企業を対象としています。
今回最も売上伸び率が高かったのはセブン‐イレブンの130.52%で、昨年の25位から13位に躍進しました。
最大の要因はアメリカ石油精製大手のマラソン・ペトロリウムのコンビニ事業「スピードウェイ」の買収が、アメリカ連邦取引委員会(FTC)により正式に承認されたことがあげられます。
昨年43.28%という驚異的な伸び率を記録したアマゾンは、今回11.98%増と伸び率は大きく鈍化したものの安定した結果となっており、トップを走るウォルマートに徐々に近づいています。
ウォルマートの売上高は2年前の時点でアマゾンの約2.2倍でしたが、昨年1.68倍まで縮み、今回は僅かではありますが、1.64倍となりました。
Eコマース市場分析企業大手であるEdge by Ascential社の市場調査部門のRetail Insightが昨年発表したレポートで、2025年までにアマゾンがウォルマートを抜いて世界最大の小売企業になるだろうと予測したことは昨年のメールマガジンでもご報告した通りですが、このトップ2の争いにはこれからも目が離せません。
続いて21位以下の主な企業のランキングは以下の通りです。
順位 | 企業名 | 売上高(100 万ドル) | 前年数値 | 伸び率 | 店舗数 |
24 | アルディ(Aldi US) | 18,200 | 17,056 | 6.71% | 2,166 |
27 | トレーダー・ジョーズ(Trader joe’s Co) | 14,900 | 14,100 | 5.67% | 530 |
30 | ハイヴィー(Hy-Vee Food Stores Inc.) | 12,300 | 11,150 | 10.31% | 285 |
34 | ウェグマンズ (Wegmans Food Markets Inc.) | 11,200 | 10,695 | 4.72% | 106 |
45 | ウィンコ・フーズ(Winco Foods Inc.) | 8,100 | 7,795 | 3.91% | 131 |
89 | リドル(Lidl U.S.) | 1,275 | 1,025 | 24.39% | 170 |
アルディは昨年の売上高から6.71%伸びましたが、順位は昨年と変わりませんでした。
アルディは現在アメリカ国内では約2,100店舗を展開していますが、2022年中にウォルマート、クローガーに次いで店舗数でアメリカ3番目になると見られています。
アルディ最大のライバルで、2年前に初ランクインしたリドルは、前回の31.58%に続き今回も24.39% という急成長を続け、昨年の96位から89位にランクアップしています。
店舗数も昨年の125店舗から170店舗まで拡大しました。
ドイツ生まれのアルディとリドルの競争は今後も大きな注目ポイントとなりそうです。
(2022.7.11配信/記事作成:イオンコンパス(株)営業戦略部)