【2025年更新】国ごとに異なる「色」のイメージとは?世界の色彩感覚と文化的背景

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「色」は、ブランドや商品の第一印象を決定づける重要な要素です。特に海外市場では、日本とは異なる文化的背景や慣習によって色彩がまったく異なる意味を持つことも珍しくありません。

日本でも2015年に特許庁で「色彩商標」が導入されたことをきっかけに、色が独自性を示す要素として認識されるようになりましたが、それ以上に現在では、文化ごとの色の意味を理解し、適切に使い分けることが、グローバル展開における成否を分ける鍵となっています。

今回は、色に関する国際的なイメージの違いを整理し、世界の主要マーケットにおける色彩心理や広告事例、デザインでの活用ポイントを徹底解説します。欧米、中国、中東、インド、東南アジアといった地域別の配色トレンドを俯瞰し、情報をお届けします。

色が国際ビジネスに与える影響

グローバル市場での競争が激化する今日、色は単なるデザインの選択肢ではなく、消費者との心理的な距離を縮めるコミュニケーション手段の一つともされています。特に色彩のもつ意味が文化や宗教的背景によって大きく異なることから、配色ミスがブランドの誤解や炎上を招くリスクも存在します。

例えば、は日本では清潔感や神聖さを象徴する色ですが、中国では喪や不吉を連想させる場合があり、同じ配色でも大きく印象が異なります。このように、色彩は文化と密接に結びついており、海外パートナーや顧客に対する理解を深める手段として活用することが、信頼構築にもつながります。

各国・各文化の代表的な色イメージ

以下は、代表的な色が日本を含む各国・地域でどのように受け取られているかをまとめたものです。

日本 欧米 中国・ベトナム ヒンドゥー圏 イスラム圏
神聖・清潔・純粋(結婚、医療) 創造・純粋(ウェディング) 喪・不吉(葬儀、伝統儀式) 死・不吉 清浄(宗教衣装など)
祝い・情熱・繁栄(祝い事、伝統色) 危険・共有主義(警告、歴史的背景) 吉兆・熱情・ポジティブ(春節、婚礼) 火・高揚感 愛・祝祭
ピンク 可愛らしさ・女性性(若者文化) ロマンス・多様性(LGBTQ) トレンド色(若年層向け)
幸福・希望・活発(春、明るさ) 注意・元気(警告、教育) 皇帝の象徴、権威の色 知恵・高貴 学問・敬意
エコ・癒し・自然(再生・平和) 安定・環境・若さ(サステナブル) 幸運・富・繁栄(贈答、祝儀袋) 恋愛・希望 神聖(モスク装飾)
知的・誠実・教育(制服、書籍) 信頼・冷静(金融、医療) テクノロジー・安心(SNS系カラー)
高貴・神秘(伝統的美意識) 王室・優雅(高級商品、儀式) スピリチュアルな印象(祭事など) 宗教的・精神性
喪・フォーマル・重厚感(礼服など) 都会的・高級・反抗(モダン) 葬儀・暗黒社会 戦闘・怒り 謹慎・敬意
※表は左右にスクロールできます※

地域別の活用トレンドと最新事例

国や地域ごとに文化や嗜好が異なるように、色に対する感覚もさまざまです。地域別にどのような色使いが好まれているか、実際の市場動向をもとに簡潔にご紹介します。

アメリカ・欧州

Z世代向けに低彩度×明度高めのニュートラルパステルが人気です。ブランドロゴやパッケージには、環境配慮をイメージさせるサステナブルカラー(セージグリーンやグレージュ)が多く採用されています。

セージグリーンとグレージュの色イメージ

中国・ベトナム

ECサイト「拼多多」や「Tmall」では、赤と金の組み合わせが定番です。春節に向けたプロモーションでは、伝統と現代感をミックスしたカラー演出が注目されています。さらに、若年層向けにはネオン調のパステルカラーがSNSで支持を集めています。

中東(イスラム圏)

ラマダンやイード向けのプロモーションでは、現在も「緑+金」の組み合わせが主流です。中東のD2Cブランドでは、シンボルとしてを採用したロゴやパッケージが定着しつつあります。

インド

地域差を反映したマルチカラー展開が主流です。特にホーリーやディワリのキャンペーンでは、伝統色とデジタル映えするネオンカラーの融合が広告で多用されています。

東南アジア(ASEAN)

ASEAN諸国では、トロピカルカラーに加え、韓国や日本のポップカルチャーの影響でミント×ピンクなどのカラーが人気。食品やコスメ系ブランドがこうしたトレンドを積極的に活用しています。

海外において色を活かす際のポイント

海外において色を使う際は、見た目の印象だけで判断せず、現地文化の文脈と感情的な受け止め方を事前に調査することが必要です。特に、以下のような点に配慮するのが効果的です。

  • 文化的な色のタブーや宗教的背景の把握
  • 国別の配色トレンドの最新動向チェック
  • ブランドアイデンティティとの整合性
  • オンライン・オフラインでの色再現性確認

まとめ

色は文化の鏡であり、国際的な流通・マーケティング戦略において、きわめて重要な要素です。ビジネス上で成果を上げるには、現地の色彩感覚を理解し、文化に寄り添った配色設計を行うことが不可欠です。

海外での視察を行う場合にも、その国や文化の特性に合わせた色の価値観を踏まえながら広告宣伝や店頭の陳列を見ていくと、新たな発見を得られるかもしれません。

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