日本では馴染みのない「サンクスギビングデー(感謝祭)」をご存じでしょうか?
収穫祝いを起源とする祝祭日で、アメリカでは11月の第四木曜日がこの祝日に該当します。
さらに、ちょうどその木曜日から3日後の日曜日はキリスト教の「アドベント(待降節・降臨節)」の開始日にあたるため、アメリカでは4日間の連休となるのです。
感謝祭には家族や親せきが集まって食事をとることが伝統で、この連休を利用して故郷へ帰省する人も多く、感謝祭前日と連休最終日は空港や高速道路も大渋滞となります。
ブラックフライデーという呼び名の由来は、「この日一日で、赤字店舗の売り上げが黒字転換するほど跳ね上がる」ほどのセールを行うところからきています。
元々は祝日翌日の金曜より行われていたセールも商戦が年々激化し、前倒しで前日の木曜からスタートするお店も増えました。
一方で、デジタル化が進みこの商戦のトレンドにも変化が生じています。
例えば世界最大の小売企業であるウォルマートでは、2014年よりブラック・フライデーの大安売りを廃止しています。このセール期間中でも、競合他社と比較して価格をマッチングさせることができるアプリを持っているため、自社が先行して値引きする必要がないというのがその理由です。ウォルマートに限らず、一部の小売企業では、極端に激化したブラックフライデーの商戦にあえて参画しないという企業も増えています。
デジタル化により店舗以外に戦うフィールドが広がっていることもありますが、本来の感謝祭は家族や友人と過ごす行事であるということ、また一部のESを重んじる企業では、この日は店舗を休業し、従業員に休暇を与える動きも出ています。
ブラックフライデーのセールのあり方自体も大きく変革期を迎えている今、デジタル化がもたらす消費行動の変化から目が離せなくなりそうです。