最新!2023年米国食品小売企業売上ランキング

20227月の弊社メールマガジン「最新 2022年米国食品小売企業売上ランキング」にて、アメリカ小売業界誌大手プログレッシブ・グローサー(Progressive Grocer)誌が集計したアメリカに店舗を持つ食品および消耗品(food and consumables)を取り扱う小売企業の2022年度版売上高ランキングを紹介しましたが、最新の2023年度版ランキングが発表されましたのでご報告します。

昨年ランクインした企業の売上高合計額は前年比で11.6%伸びて、2.112兆ドルという記録的な結果でしたが、90回目の節目となる今回の統計結果は前年比で11.94%アップして売上高合計2.49兆ドルと昨年を更に上回る記録的な結果となりました。

以下最新の売上高トップ20企業と、その他主要企業のランキング結果です。

 

順位

企業名

売上高(100万ドル)

前年数値

伸び率

店舗数

1

ウォルマート(Walmart US

420,600

393,247

6.96%

5,317

2

アマゾン(Amazon #ホールフーズ含む

238,967

239,150

0.08%

600

3

コストコ(Costco

165,294

141,398

16.90%

578

4

クローガー(The Kroger Co

148,258

137,888

7.52%

2,719

5

ウォルグリーンズ(Walgreens Boots Alliance

132,703

132,509

0.15%

8,756

6

ターゲット(Target

109,120

106,005

2.94%

1,948

7

CVSヘルス(CVS Health

106,594

100,105

6.48%

7,795

8

サムズ・クラブ(Sam’s Club

84,345

73,556

14.67%

600

9

アルバートソンズ(Albertsons Cos.

77,600

71,887

7.95%

2,271

10

アホールド・デレーズ・アメリカ(Ahold Delhaize USA

57,959

53,699

7.93%

2,051

 

11

ロブロウ(Loblaw Companies Ltd

56,504

52,269

8.10%

2,742

12

パブリクス(Publix Super Markets

54,500

47,997

13.55%

1,334

13

アリマンタション・クシュタール(Alimentation Couche-Tard

41,754

31,128

34.14%

5,714

14

ウォルマート・メキシコ(Walmart de Mexico

40,496

35,964

12.60%

3,744

15

エイチ・イー・バット(H-E-B

38,900

34,000

14.41%

420

16

ダラー・ゼネラル(Dollar General

37,844

34,220

10.59%

19,104

17

C&Sホールセール(C&S Wholesale Grocers

34,700

33,022

5.08%

637

18

コストコ・カナダ(Costco Canada

31,675

27,298

16.03%

107

19

エンパイヤ・カンパニー(Empire Company Ltd

30,162

28,268

6.70%

1,600

20

ユナイテッド・ナチュラル・フーズ(United Natural Foods Inc.

28,928

26,950

7.34%

73

Progressive Grocerデータより

このランキングは、アメリカ以外に本社を持っていてもアメリカ国内でビジネスを展開している小売企業は対象にしています。

上位12社のランキングは昨年と全く変動がありませんでしたが、唯一2位のアマゾンだけが昨年から売り上げを落としています。 

これは、昨年から続く実店舗ビジネスの改革が大きく影響しており、特にアマゾンゴーおよびアマゾンフレッシュ店舗の閉店ラッシュが今回の結果に響いているようです。

2年前に43.28%という驚異的な伸び率を記録し、前回も11.98%と順調に売上高を伸ばしていたアマゾンですが、来年の結果に注目したいと思います。続いて21位以降の主な企業のランキングは以下の通りです。

 

順位

企業名

売上高(100万ドル)

前年数値

伸び率

店舗数

26

アルディ(Aldi US

20,565

18,200

12.99%

2,285

29

ウェイクファーン・フー(Wakefern Food Corp.

18,300

17,800

2.81%

362

30

トレーダー・ジョーズ(Trader Joe’s

16,543

14,900

11.03%

544

36

ハイ・ヴィー(Hy-Vee

12,785

12,100

5.66%

285

37

ウェグマンズ(Wegmans

12,300

11,200

9.82%

110

42

ウィンコ・フーズ(WinCo Foods

9,500

8,400

13.10%

139

51

スプラウツ・ファーマーズ・マーケット(Sprouts Farmers Market

6,404

6,099

5.00%

386

91

リドル(Lidl

1,275

1,100

15.91%

177

 

         

 

昨年注目企業として取り上げたドイツ生まれの2つの企業ですが、アルディは、昨年の24位から順位を落としているものの、売上高伸び率は12.99%と安定しており、店舗数も約120店舗増加しました。

またもう一つの注目企業リドルも、昨年の89位から91位に順位を落としましたが、売上高は15.91%アップと順調に伸びています。今後もこの2社は注目企業としてフォローして行きたいと思います。

コロナ禍以降の消費者の生活はリモートワークやオンラインでの購買行動へ移行するなど大きく変化してきました。
今回の統計を行っているプログレッシブ・グローサー誌は、今後小売企業が生き残っていくための重要な指針のひとつとして、テクノロジーを活用してコストを削減し、最大限の効率化を行い、更に顧客ロイヤルティを向上させる必要があると述べています。

買い物代行最大手のインスタカート(Instacart)社は、今年の3月からOpenAI社のChatGPTチャットボット技術を同社食料品デリバリーアプリに搭載し、ユーザーにレシピの提案や必要な材料の選択をスムーズに行えるサービスを提供しており、今後も同社アプリの充実化を図ることで顧客ロイヤルティのアップにつなげていきたいと発表しました。

また、アメリカのデータマーケティング大手のマークル(Merkle)社の最新レポートでも、近年消費者の間でプライバシー侵害への懸念が高まっている反面、消費者の90%以上は自分向けのパーソナライズされた提案を高く評価しているという結果も報告されており、今後もより最適なパーソナライゼーションを提案できる企業が結果を残していくだろうと結論付けています。

売上高という最も分かりやすい今回のランキングでしたが、今後も様々な角度から見た最新情報をご報告したいと思います。

(2023.7.20配信/記事作成:イオンコンパス(株)営業戦略部)

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