セフォラの快進撃
ブランド業界を代表するグループ会社LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)傘下の、化粧品専門店セフォラ(Sephora)は、ロイヤルティ戦略と韓国ビューティー連携を両輪に成長を続けています。
特に米国では、会員制プログラム「Beauty Insider」が売上の大きな原動力となっています。同プログラムの会員数は約4,600万人に到達し、過去5年間で75%超増と急拡大しました。
体験型ロイヤルティ
さらに2023年に導入されたゲーミフィケーション機能には会員の約30%が参加しており、購買行動に応じたタスク達成でポイントを獲得できる仕組みがエンゲージメントを高めています。2025年の大型セールでは注文数などが過去最高を更新し、体験型ロイヤルティの有効性が示されました。
この制度は年間購入額に応じた3階層(無料のInsider、350ドルのVIB、1,000ドルのRouge)で構成され、ポイント交換や限定体験、誕生日特典などを提供しています。特に誕生日ギフトの利用は前年比15%増となり、金銭的価値よりも「祝福される体験」が顧客の感情的ロイヤルティを強めている点が特徴です。
Kビューティーゾーン拡大
こうしたロイヤルティ強化と並行し、セフォラは韓国最大級の化粧品小売のCJ Olive Youngとの戦略的提携を発表しました。今秋以降、北米や東南アジア、香港などでKビューティー専用ゾーンをオンラインと店舗の双方に設置し、2027年には中東、英国、豪州へと展開を拡大する計画です。
この協業は、トレンド主導型の韓国ブランドを世界市場へ届けると同時に、競争が激化するコスメ市場におけるセフォラの魅力を高める狙いがあります。背景には、韓国コスメの対米輸出が年率20%超で成長してきた需要拡大があります。
ビューティー小売 新競争モデル
今後セフォラは、パーソナライズされたロイヤルティ体験と新興ブランドとの協業を組み合わせることで、世界35市場・3,000店舗超規模のネットワークにおける顧客関係をさらに深化させていくとみられます。ロイヤルティと商品革新を統合した同社の取り組みは、今後のビューティー小売における重要な競争モデルになると考えられます。