米国ファーマシー市場顧客満足度最新ランキング

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カリフォルニア州を拠点とし、世界中の様々な分野における顧客満足度を専門に分析しているJ.D.パワー(J.D.Power)社が、アメリカのファーマシー市場における最新の顧客満足度ランキングを発表しました。今回で13回目となるこの調査は、パンデミック真っ只中の2020年9月から2021年5月までの期間に行われたものです。

当社でも2019年9月のメールマガジン「ファーマシーもウェグマンズが人気!米国調剤薬局の顧客満足度ランキング」にて、スーパーマーケットチェーンのファーマシー市場への参入についてご紹介しました。

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ファーマシーもウェグマンズが人気!米国調剤薬局の顧客満足度ランキング

ファーマシーもウェグマンズが人気!米国調剤薬局の顧客満足度ランキング

全世界で様々な分野における顧客満足度を調査しているJ.D.パワー(J.D.Power)社が毎年実施している「アメリカの調剤薬局の顧客満足度」についての最新の調査結果を発表しているのでご紹介します。 2019年の5月から6月にかけて集計した調査結果で今回で11回目となります。  直近の3か月間に処方薬を購入または再購入した顧客12,059人を対象に、それぞれが利用した店舗における以下のサービス内容についての満足度を1,000点満点で評価してもらったものです。 ①    処方薬購入(再購入)のシステム ②    処方薬の値段 ③    薬剤師の対応 ④    薬剤師以外のスタッフの対応 ⑤    処方薬の受け取りシステム ⑥    処方薬のデリバリーサービス 調査対象はスーパーマーケット系ファーマシー、ドラッグストア、量販店系ファーマシーおよび通信販売専門店の4つの業態で個別にランキングしておりますが、結果としてスーパーマーケット系のファーマシーが平均871ポイントと最も高い評価を受けているという結果になりました。 以下が業態別のランキングと獲得ポイントです。 ◎スーパーマーケットチェーン(平均ポイント 871) 順位店舗名ポイント総合順位1ウェグマンズ(Wegmans)915 1 2パブリクス(Publix)89743ウィン・ディキシー(Winn-Dixie)89654エイチ・イー・バット(H-E-B)89465ショップライト(Shoprite)8869 ◎ドラッグストアチェーン(平均ポイント 842) 順位店舗名ポイント総合順位1グッド・ネイバー・ファーマシー(Good Neighbor Pharmacy)91422ヘルス・マート(Health Mart)89373ライトエイド・ファーマシー(Rite Aid Pharmacy)8654ウォルグリーン(Walgreens)8405CVSファーマシー(CVS Pharmacy)834 ◎量販店(平均ポイント 853) 順位店舗名ポイント総合順位1サムズ・クラブ(Sam's Club)89082コストコ(Costco)8793CVSファーマシー・イン・ターゲット(CVS Pharmcy in Target)8694ウォルマート(Walmart)837****** ◎通販専門店(平均ポイント 867) 順位店舗名ポイント総合順位1ヒューマナ・ファーマシー(Humana Pharmacy)90032カイザー・パーマネント・ファーマシー(Kaiser Permanente)88693オプタムRx(Optum RX)8694CVSケアマーク(CVS/Caremark)8644エクスプレス・スクリプツ(Express Scripts)864※J.D.Power社調査 スーパーマーケット系ファーマシーは全ての企業が総合ランキングでも10位以内になっており、顧客から高い評価を得ていることが分かります。 アメリカは世界的にその高額な医療費で知られており、国民の多くはちょっとした体調不良や病気では病院には行かず医者と同等の医療知識と権限を持つ薬剤師に相談するという社会的背景があります。 2014年にオバマ前大統領が国民皆保険制度である医療保険制度改革法(オバマケア)をスタートしましたが、医療費および保険料が高すぎるため、いまだに保険未加入者が多いのが実情です。 このような環境下で、ドラッグストアに加えて食品を中心に取り扱っていたスーパーマーケットチェーンも専属の薬剤師を雇用し、病院よりも安く、基本的な医療サービスを受けることが可能な簡易クリニックを店舗内に開設し、年中無休・24時間等の体制で続々とファーマシー市場に参入をしています。 アメリカの薬剤師は処方権の他に、予防接種や血液検査などの基本的医療行為の権限を持っているため、病院に行かなくても近所のスーパーマーケットで医療サービスを受けることができ、処方薬も購入可能ということで今後もこの市場でのスーパーマーケットの存在感は高まるものと予測されています。 その中でも全ての業態を通じてトップ評価を獲得したウェグマンズは、様々な企業ランキングにおいて常に高い評価を得ていることで知られており、最近の例としては以下のような評価を得ています。 ・マーケット・フォース社 〜 「米国人気スーパーマーケットランキング2019」3年連続1位 ・ハリス・ポール社 〜 「最も評判の良いスーパーマーケット2019」1位 ・フォーチュン誌 〜 「働き甲斐のある企業ランキング2019」3位(22年連続ランクイン) このように顧客からも従業員からも大人気のスーパーマーケットチェーンのウェグマンズですが、処方薬の分野でも今回2年連続で最も顧客満足度が高い企業として選ばれたわけです。 ちなみにウェグマンズの過去5年間の同調査での結果は以下の通りでした。 年度総合順位ポイント2015年18872016年5891

その背景には、医療費が高額であるアメリカではちょっとした体調不良や病気では病院に行かず、医者と同等の医療知識と権限を持つ薬剤師に相談する傾向が強く、調剤薬局のニーズが高いということがあります。スーパーマーケットに開設される調剤薬局は、専属薬剤師を雇用し年中無休、24時間営業等の体制で、病院よりも安く基本的な医療サービスを受けることができるという特徴があります。

2019年当時の調査では、ドラッグストアチェーン、スーパーマーケットチェーン、小売量販店、オンライン専門の調剤薬局を扱う小売業態の中で、ウェグマンズがトップの顧客満足度を獲得しました。

最新の調査では、2020年9月から2021年5月までの期間に調剤薬を購入あるいは再購入した顧客12,646人を対象に、それぞれが利用した店舗における以下のサービス内容についての満足度を1,000点満点として評価したものです。

① 処方薬購入(再購入)のシステム

② 処方薬の値段

③ 薬剤師、店舗スタッフの対応

④ 処方薬の受け取りシステム

⑤ 処方薬のデリバリーサービス

調査対象は前回同様、ドラッグストアチェーン、スーパーマーケット系ファーマシー、量販店系ファーマシーおよびオンライン専門ファーマシーの4つの業態です。

調査結果は次の通りです。

ドラッグストアチェーン(平均スコア856点)

順位店舗名スコア
1グッド・ネイバー・ファーマシー(Good Neighbor Pharmacy)912
2ヘルス・マート(Health Mart)891
3ライトエイド・ファーマシー(Rite Aid Pharmacy)866
4ウォルグリーン(Walgreens)860
5CVSファーマシー(CVS Pharmacy)847

スーパーマーケット系ファーマシー(平均スコア863点)

順位店舗名スコア
1エイチ・イー・バット(H.E.B)896
2ウェグマンズ(Wegmans)892
3ストップ&ショップ(Stop & Shop)885
4パブリクス(Publix)884
5アルバートソンズ(Albertsons)882

量販店系ファーマシー(平均スコア866点)

順位店舗名スコア
1サムズ・クラブ(Sam’s Club)891
2CVSファーマシー・イン・ターゲット
(CVS Pharmacy inside Target)
879
3コストコ(Costco)877
4ウォルマート(Walmart)856
******

オンライン専門ファーマシー(平均スコア877点)

順位店舗名スコア
1ヒューマナ・ファーマシー(Humana Pharmacy)906
2カイザー・パーマネント・ファーマシー(Kaiser Permanent Pharmacy)887
3エトナ・Rx・ホームデリバリー(Aetna Rx Home Delivery)884
4エクスプレス・スクリプツ(Express Scripts)878
5オプタムRx(Optum RX)870

2019年の調査で総合トップだったウェグマンズは昨年もスーパーマーケット系ファーマシー部門のトップでしたが、今回は同部門でH.E.Bに次ぐ2位となりました。テキサス州で約290カ所の店舗内ファーマシーを展開しているH.E.Bは、直近2年間で4位でしたが、今回は処方薬の値段の安さと、注文から受け取りまでのプロセスへの顧客評価が極めて高かったということで初めて1位となりました。

米国のファーマシー市場で3番目のシェアを持つウォルマートは、量販店部門の平均スコア(866点)を下回る結果となっておりますが、同社傘下のサムズ・クラブが部門トップとなっているのは皮肉な結果と言えるかもしれません。今回の調査によると、小売系ファーマシーの顧客のうち51%が過去1年間に店舗にて何らかの医療サービスを受けたと回答しています。2020年の48%、2019年の43%から増加しており、店舗での新型コロナウイルス感染症ワクチン接種の拡大が大きく関係しているようです。

ファーマシー関連サービスにおける小売企業への期待感は今後も高まって行くことが予測されており、2018年にオンライン処方薬のスタートアップ企業Pillpackを買収し医薬品市場に参入を開始したアマゾンも、調剤部門の実店舗の展開を視野に入れているという報道もあります。

今後もファーマシー市場における小売企業の取り組みに注目していきたいと思います。

(2021.8.6配信/記事作成:イオンコンパス(株)営業戦略部)

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