現地レポート!アリババ実店舗最新事情

中国最大のEコマース企業である「アリババ」が手掛ける上海の実店舗を、今年2月上旬に当社社員が訪問しましたので、その際の現地レポートをお届けします。

 

今回訪問したのは、アリババが出資する上海の生鮮スーパーの「盒馬鮮生(フーマーションシエン)」と「盒馬鮮生」がコンビニエンスストア業態としてオープンした「F2」です。「盒馬鮮生」は2016年1月に上海で1号店をオープンし、既に北京や深センなどで20店舗以上が営業しています。「F2」は昨年12月に開業した、話題の店舗です。

 

アリババは2015年には「盒馬鮮生」を設立させるなど、O2O(Online to Ofline)戦略をすすめていましたが、2016年末にはさらに「ニューリテール(新しい小売)」戦略を示し、オンラインとオフライン(実店舗)が融合した新しいビジネスモデルの確立を目指していることを発表しており、ますます動向が注目されています。

 

今回訪れた「盒馬鮮生」はオンラインで注文した商品を配送してくれる生鮮スーパーですが、実際に店舗での買い物やイートインコーナーでの食事もできます。食品に対する目が厳しい中国で、「盒馬鮮生」はオンラインで注文する食品の鮮度や安全性を実際に自分の目や舌で確かめることができ、人気となっています。

消費者がオンラインで注文を行う場合には、専用のアプリを使って注文から支払いまでを行います。一方店舗では、アプリから注文が入ると、店内のピッキング係のスタッフが店頭から注文商品を取って専用バッグに入れ、売場の端にあるクレーンに乗せます。商品の入ったバッグは天井に張り巡らされたレールを伝って運ばれ、バッグヤードの配送スタッフに引き渡されるという仕組みになっています。ピッキング係の作業を軽減し、効率化を図るための工夫が見られます。「盒馬鮮生」は店舗から3km圏内の配送先であれば、30分で配送するサービスを実施しており、こうした効率化がサービスを可能にしていると考えられます。また、店頭で実際に商品を確認しながらアプリ上で購入することで、自宅まで配送してもらうことも可能です。

店舗で購入した商品をその場で食べる場合には、調理カウンターでメニューをみて注文することも、お惣菜を選んで調理や温めてもらうことも可能です。冷たい料理を好まない中国の人々にも温かい料理を提供してくれるイートインコーナーは人気があり、常に満席に近い状態だそうです。支払いは現金でも対応していますが、アプリを使ってキャッシュレスで済ませることができます。キャッシュレスの支払いはアリペイでの支払いとなり、現金支払いにはない割引も行われています。また、イートインコーナーで食べた食事のレシピを動画で見ることもでき、食材販売にもつなげています。

 

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「盒馬鮮生」外観

「盒馬鮮生」店内

(配送しやすいようにすべて
ラップされていたり、袋に入っている)

「盒馬鮮生」店内

(オンラインでの注文商品を
ピックアップしている)



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「盒馬鮮生」店内

(オンラインでも不安なく購入してもらえるよう、鮮度を見せている)

「盒馬鮮生」店内

(イートインコーナーはほぼ満席で、家族連れが目立つ)

次に、2017年12月にオープンした「盒馬鮮生」のコンビニエンスストア事業である「F2」についてご紹介します。F2は「Fast(速い)」と「Fresh(新鮮)」という意味とのことです。レジでの行列を解決するため、無人のキャッシュレスレジのみの「速さ」と、コンビニでありながらその場で調理した商品を提供する「新鮮さ」を兼ね備えた店舗です。軽食から夕食までを提供できる店舗をコンセプトとしており、今後、オフィス街を中心に出店していくとのことです。

「F2」にもイートインコーナーが設置されていますが、注文カウンターもメニューもありません。まず席に着き、各テーブルのQRコードからメニューを確認、注文します。支払いはもちろんアプリ経由で行われるキャッシュレスです。

日本のコンビニエンスストアのイメージとは異なる、店づくりやコンセプトに驚くとともに、新しい体験に対するわくわく感があります。


 

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「F2」外観

「F2」内観

「F2」イートインスペース

「盒馬鮮生」は「F2」アリババのニューリテール戦略のごく一部ですが、実際に上海を訪れ、実体験することで便利さや仕組みに納得することができます。アマゾンの「Amazon Go」は約1年の試験営業を行い、先日一般消費者へ公開されましたが、中国の小売業はさらにスピード感をもって進んでいるようです。

当社では、進化を続ける中国の流通小売事情について、アプリを使った実体験が可能な研修の企画を行っていますので、ぜひお問い合わせください。

 

(2018.2.20配信)

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