米国トレンド最前線!「グローサラント」とは…?

最新のミールソリューションとして、最近「グローサラント」が食品流通業界でトレンドになっています。

アメリカでは専門誌だけでなく、一般紙「USA TODAY」の電子版などでも、グローサラントについて紹介しています。

「グローサラント」というのは、食料品や食料品店を意味するグローサリー(Grocery)とレストラン(Restaurant)を掛け合わせた造語であり、従来の店舗のように食料品や日用品を販売するだけでなく、購入したデリや惣菜などを店内で楽しめるようにし、更にはレストランに負けないクオリティの食事を、店内あるいは店舗敷地内で提供するサービスです。

当初は店内に簡単な椅子とテーブルを置いたイートインスペースが多かったものの、より快適でゆっくりできる本格的な食事スペースを用意する店舗が増えてきています。

レストランに負けない「食」を提供する「グローサラント」を導入したことにより、全米の食品スーパーでは、2016年1年間で、延べ24億回の来店数の増加がみられ、100億ドルの売り上げに貢献したということです。

 

オンラインでの購買習慣が広まり、多くの食品小売企業がオムニチャネル化に取り組んでいますが、実店舗を持つ小売企業がオンラインに対抗するには、店舗への来店客を増やすことが重要になってきます。

クリックすれば欲しいものがいつでも手に入る環境の中で、従来の店舗のままで来店客数を伸ばすのは困難です。

しかし、オンラインでは購入することができない「グローサラント」のようなサービスを強化することにより、オンラインリテーラーに対して実店舗が優位に立てるようになります。また、「グローサラント」の内容によって、他社店舗との差別化を図ることも可能です。

 

以下に北米で「グローサラント」に取り組んでいる、代表的な企業とその特徴についてご紹介します。

 

企業名

グローサラントに対する取組内容

ホールフーズ(Wholefoods Market)

テキサス州オースティンを拠点に、北米、カナダ、イギリスで460店舗以上を展開する、ナチュラル&オーガニック専門の代表的スーパー。 「グローサラント」を取り入れている代表的企業で、店舗ごとの取り組みをしている。 ニューヨーク・マンハッタンのブライアントパーク店では、フランキー・スプンティーノ(Frankies Spuntino)というカジュアルイタリアンレストランと、著名フレンチシェフによるシーフードレストラン、ハーバー・バー(Harbor Bar)を導入。 ロサンゼルスのディストリクト・アット・タスティン・レガシーSC内の店舗では、メンドチーノ・ファームズ(Mendocino Farms)というオーガニック&グルテンフリーのサンドイッチとサラダの専門店を導入。

ウェグマンズ(Wegmans)

ニューヨーク・ロチェスターを拠点に東海岸に92店舗を展開している、アメリカ人に最も人気のあるスーパー・マーケットであり、全米最大規模の家族経営企業。多くの店舗に取り入れられている、ネクストドア・バイ・ウェグマンズ(Next Door by Wegmans)にて寿司バーや、独自農場で収穫したオーガニック食材を使ったダイニングを提供。アモーレ・イタリアン・レストラン&ワインバー(Amore Italian Restaurant & Wine Bar)ではイタリア料理とワインバー、ザ・パブ(The Pub)ではオイスターバーやサンドイッチとビール等を楽しめるようになっている。

エイチイーバット(HEB)

テキサス州サンアントニオを拠点にテキサス州とメキシコで370店以上を展開しており、店内にトゥルーテキサス・バーベキュー(True Texas BBQ)というバーベキュー専門のレストランを導入。 また著名シェフであるランディ・エバンス氏によるレストランを、サンアントニオのザ・マーケット・アット・ストーンオーク(The Market at Stone Oak)店、ワイルダーネスオーク(Wilderness Oak)店、シャーツ(Schertz)店、およびヒューストンのサン・フェリペ(San Felipe)店にて展開している。

マリアノス(Mariano's)

イリノイ州を拠点に41店舗を展開するクローガー系のグルメスーパー。特にレイクビュー・イースト(Lakeview East)店では、作り立てパスタの専門店レイクビュー・アーバンパスタバー(Lakeview Urban Pasta Bar)やハンバーガー専門のフォースター・バーガーバー(Four Star Burger Bar)の他、ワインバーや寿司の専門コーナーなどを設置している。              

 

 

これまでは、フード・トゥー・ゴー(Food-to-go)やレディ・トゥー・イート(Ready-to-eat)などのコンセプトのもと、店舗で購入した商品を店内イートインスペースや自宅で温めて食べる、というミールソリューションの提供が主流でした。これには、ヘルス&ウェルネスをはじめとする健康志向の高まりにより、時間や手間を短縮しながらも、購入する食品の原材料や詳細が確認できる、食品スーパーのプリペアドミールが広まってきたという背景があります。実際に、2005年から2015年の10年間で、プリペアドミールの売上は毎年約10%伸びています。多くの消費者が、ファストカジュアルレストランよりも地元の食品スーパーを選ぶ、というレポートもリサーチ&コンサルティング企業のテクノミック(Technomic Inc)社から発表されています。これからは、プリペアドミールを更に進化させ、店内で本格的且つリーズナブルな食事を楽しむ「グローサラント」が新しいミールソリューションとして広まっていきそうです。

「グローサラント」は、日本国内でも取り入れる企業が出てきており、注目度はますますアップすると考えられます。

 

関連情報

 

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