米国で急成長!「ミール・キット」の食材宅配サービス

調理前の食材がセットになっている「ミール・キット(Meal Kit)」を自宅まで配送してくれる食材配達サービスが、米国で急速に業績を伸ばしています。2012年頃から広まり、現在は4億ドルの市場があると言われており、5年後には10倍もの規模に成長するとみられています。米国の有力な消費者団体専門誌であるコンシューマー・レポート誌(10月号)でもブルーエプロン等のミール・キットについての比較特集が組まれています。


ミール・キットを取り扱う企業は全米で100社以上にも上り、それぞれ料金やサービスを競っています。メニューは利用者が選べる会社がほとんどですが、週に数回決められたメニューを配送する企業もあります。

ミール・キットを利用している中心はミレニアル世代です。結婚して家庭を持ち、料理はしたいが買い物や料理の時間が十分にとれない、この世代のニーズを満たしているとみられます。ミレニアル世代は自然派志向が強く、フレッシュさにこだわりがあるため、出来合いのものではなく、食事の準備にはもっと時間をかけたいと感じている人も多くいます。一方で効率よく調理を行いたいという思いも持っているのも事実です。そうした需要にマッチしたのがミール・キットです。

注文した食材は基本的にカットや味付けされずに届くため、届いた食材の鮮度を自分で確かめることができます。さらに自分で野菜等をカットし調理を行うので、保存料や添加物が入っていない安心感があります。夕食のメニューを一から考える時間や買い物に行く手間を省きながらも、自宅で調理した出来立てのものを食べることができます。野菜を使ったメニューが多く、時短だけでなくミレニアル世代が気にする健康面も気を遣ったメニューが人気です。カロリーの表示や企業によっては塩分等も表示しています。また、ミール・キットの市場が広がるにつれて、有名シェフとのコラボレーション商品などの販売を行い、差別化を図る企業もでています。

ミール・キットは一人当たり10ドル前後と決して安くはありませんが、外食することを考えればリーズナブルですし、出来合いのものにはない、フレッシュさがあります。また、家族構成に合わせて数量の注文ができるため、食材を無駄にしたり、廃棄する心配もありません。ミール・キット市場を牽引するブルーエプロンでは、2名分のプランと、4名分のファミリープランを用意しています。2名プランでは、1名1食9.99ドル×2名分を週3回まで配達してくれます。メニューは週替わりで6種類から選べます。ファミリープランでは、1名1食8.74ドル×4名分を週2回または4回まで配達してくれます。HP上でもメニューの紹介に合わせて、調理方法、調理時間だけでなく、カロリーやメニューに合うワインの紹介もされており、利用者の声もフェイスブックを利用して掲載されています。

ブルーエプロンHP:https://www.blueapron.com/

これまでミールソリューションとして、RTE(レディー・トゥ・イート:そのまま食べられる)、RTH(レディー・トゥ・ヒート:電子レンジで温めて食べられる)、RTC(レディー・トゥ・クック:肉や魚に下味がつけられているなど、食材の下ごしらえがされている)、RTP(レディー・トゥ・プリペア:調理するための食材がセットされている)が各SMで販売されてきました。今年オープンした365バイ・ホールフーズ・マーケットでも調理済みや半調理済みの食品が多く取り扱われています。現在、ミール・キットはブルーエプロンを代表とするような専門業者が主流ですが、今後SMやレストラン業界もミール・キット市場に進出してくるとみられています。

外食、中食、内食の垣根を越えた競争が拡大している中で、食事の在り方がどのように変化していくのか、ますます注目です。

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