アメリカのホリデーショッピング・シーズン期間最大セールである、ブラックフライデーの売り上げの速報をお伝えします。
2025年ブラックフライデー その結果と傾向
アメリカのソフトウェア大手アドビ(Adobe)が提供する解析ツール、Adobe Analytics のデータによると、2025年アメリカのブラックフライデー(11月28日)のオンライン売上高は前年比9.1%増の118億ドルに達し、過去最高を更新しました。
一方、実店舗(オフライン)での売上は伸びが鈍く、オンラインへのシフト傾向が改めて浮き彫りになりました。背景にはインフレや関税負担、雇用環境の停滞などの経済的不透明感がありますが、こうした状況下で消費者は「安さ」より「短時間で効率良く買えること」を優先する傾向を強めています。この効率性ニーズがオンライン、特にAI経由の購買増につながった形です。
今年勝ち組となったのは?
勝ち組として最も顕著だったのは、AI(会話型チャットボットや検索支援ツール)を活用したオンライン小売サイトでした。AI経由のトラフィックは前年比805%増と急伸し、AIから流入したユーザーは非AI経由より38%高いコンバージョン率を示したと報告されています。具体的な勝ち組企業としては、豊富な商品ラインナップと価格競争力に加え、検索・レコメンド機能を強化したアマゾン(Amazon)や、オンラインと実店舗を統合したオムニチャネル戦略にAIツールをいち早く取り入れたウォルマート(Walmart)が挙げられます。
敗者となった企業の課題
一方、負け組として個別の企業名は明確には挙げられていませんが、単純な割引合戦に依存したオンラインストア、高価格帯・高級ブランドを中心とする百貨店、そしてブラックフライデー当日限定のプロモーションに依存した小売企業は、総じて苦戦したと分析されています。
消費者の購買行動が複数日型に変化している中、割引以外の付加価値を提供できなかった点が課題として浮かび上がりました。