
米国の高インフレは2025年3月時点で2.4%まで低下し落ち着きを見せ始めていますが、「アメリカにおける卵価格の高騰」は依然として消費者・流通業界双方に大きな影響を与えています。ニューメレーター(Numerator)社が2025年4月に実施した市場調査によれば、米国国民の70%以上が卵価格を「高すぎる」と感じていることが明らかとなりました。
この調査は、ニューメレーター(Numerator)社の協力登録世帯約15万の中から過去3か月以内に卵を購入した消費者1,050人を対象として行われたものです。
米国の小売市場では、卵1パック(通常12個入り ※日本は通常10個入り)が2025年1月時点で平均$4.84、3月には$6.54に上昇しました。(1ドル=145円換算で約950円)
日本国内では、卵は長年にわたり「物価の優等生」として過去60年間ほとんど価格が変動していませんでした。しかし、2022年以降は鳥インフルエンザによる供給不足やウクライナ情勢に起因する飼料価格の高騰、さらに円安といった複合的な要因により卵の価格上昇が続いています。ただし、アメリカにおける卵価格の高騰は、日本の上昇幅を大きく上回っています。
調査によると、アメリカの卵購入者の36.7%が週に1回以上の頻度で卵を購入していましたが、1月比で4.8%減少し、買い控え傾向が見られます。
また、2025年3月17日時点の卵1ダース(12個入り)の平均小売価格は$5.60でした。米国の主要小売チェーン(HEB、クローガー、ウォルマート、ターゲット、アルディ、パブリクス)における卵1ダースの実勢価格(同日付)は以下の通りとなっています。このデータは、アメリカの金融・消費トレンドに関する調査や情報発信を行っているファイナンスバズ(Financebuzz)社によるものです。
店舗名 | 価格 |
---|---|
H-E-B | $4.49 |
クローガー(Kroger) | $5.31 |
ウォルマート(Walmart) | $5.80 |
ターゲット(Target) | $5.79 |
アルディ(Aldi) | $5.97 |
パブリクス(Publix) | $6.16 |
本稿では、米国における卵価格高騰の現状とその消費動向、小売チェーンごとの価格比較、日本市場との対比を概説しました。今後も「アメリカ 卵価格」「小売」「インフレ動向」「市場調査」などのキーワードを中心に、さらなる動向を継続的にモニタリングしていく必要があります。