要注目!グロサリー・アウトレット

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20年1月のメールマガジンで注目企業として取り上げたグロサリー・アウトレットは、圧倒的な低価格と日々変わる仕入れ商品による‘宝探し’感覚の買い物体験により右肩上がりに業績を伸ばしています。

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グロサリーとは?小売・流通業界での意味とスーパーマーケットとの違い

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当サイトでも多く取り上げる「グロサリー」のという言葉ですが、日常的に小売・流通に関わっていないとあまり耳馴染みがないかもしれません。 日本では日常的に使われない言葉ですが、アメリカの小売・流通業界ではごく当たり前に使われています。「グロサリー」という概念を理解することは、アメリカの流通ビジネスを読み解く上で非常に重要といえます。 今回は、グロサリーの基本的な意味から、米国小売市場における位置づけ、さらにオンライングロサリーの最新動向までを整理してご紹介しようと思います。 グロサリーの定義 「グロサリー(grocery)」は、食品や日用品を指す言葉で、パンや牛乳、肉、野菜といった生鮮食品だけでなく、洗剤やトイレットペーパーといった日常生活に欠かせない必需品も含まれます。また、グロサリーは商品そのものを意味するだけでなく、それを販売するグロサリーストア(食料品店)を指す場合もあります。 語源は中世ラテン語の grossarius(卸商人)からフランス語の grossier を経て英語に入ったもので、当初は「卸商人」や「大量取引を行う商人」を意味していました。時代とともに食品を扱う商売や店舗を指すようになり、現代のアメリカでは「I’m going to the grocery store」といえば、「スーパーへ買い物に行く」という日常的な表現になります。 商品カテゴリーの具体例 グロサリーに含まれる商品は非常に幅広く、以下のように分類できます。 乾物類:米、パスタ、シリアル、缶詰、調味料 生鮮食品:野菜、果物、肉、魚、乳製品 冷凍食品:冷凍野菜、冷凍ピザ、アイスクリーム 調理済食品:弁当、惣菜、レトルト、惣菜パン、サラダチキン 飲料:水、ジュース、炭酸飲料、コーヒー、アルコール類(州法による) 日用品:トイレットペーパー、洗剤、ペーパータオル、歯磨き粉 米国におけるグロサリー店舗の役割 アメリカでは、グロサリーストア(Grocery Store)は生活の基盤として地域に浸透しています。KrogerやSafewayのような大型スーパーマーケット、WalmartやTargetなどのディスカウント型店舗、Whole Foodsなどの高級志向チェーン、さらには地元密着の小規模店舗まで、非常に多彩な形態があります。 代表的なグロサリーストア Walmart(ウォルマート) Walmart(ウォルマート)は米国最大のグロサリーストアチェーンであり、アメリカ小売市場全体でも圧倒的なシェアを持っています。低価格戦略を強みに、郊外型の大型店舗から都市部の小型店まで幅広く展開しています。食品、日用品、家電まで揃う「ワンストップショッピング」を可能にしており、オンライン食料品販売においても店舗網を活かしたピックアップ・宅配サービスでシェアを拡大しています。 Kroger(クローガー) Kroger(クローガー)はアメリカを代表する伝統的なスーパーマーケット型グロサリーチェーンです。プライベートブランド(PB)の商品開発に力を入れており、品質と価格のバランスが高く評価されています。さらに、ロボティクス倉庫やAIを活用した在庫管理により、オンライン注文と実店舗販売の融合を進めています。 Whole Foods Market(ホールフーズ・マーケット) Whole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)はオーガニック食品や自然派商品に特化したグロサリーストアです。健康志向の高い消費者や高所得層に強く支持されており、2017年にAmazonが買収してからは、Amazon Freshとの連携によりオンライン食料品市場でも存在感を高めています。 Trader Joe’s(トレーダー・ジョーズ) Trader Joe’s(トレーダー・ジョーズ)は、独自性の高い商品とリーズナブルな価格で人気の都市型グロサリーストアです。オリジナル商品やエスニック食品が豊富で、ミレニアル世代や都市部の消費者を中心に支持を集めています。SNS映えする商品やユニークなパッケージ戦略も強みで、アメリカ小売市場において独自のポジションを築いています。 グロサリーストアとスーパーマーケット 「グロサリーストア」と「スーパーマーケット」には若干の違いがあります。スーパーマーケットの方がより広い品揃えや大型店舗を指す傾向にあります。ただし、日常会話ではほぼ同義として使われることも多く、消費者目線では大きな区別はありません。業界分析の文脈では「カテゴリー区分」として、使い分けられることがあります。 流通業界における位置づけ グロサリーは流通業界にとって「安定した需要」を生む重要分野です。特に食品は賞味期限や鮮度管理が必要なため、物流・在庫管理の効率化が常に求められ、米国流通業の競争力を左右する大きな要素になっています。 企業が注力している領域は次のような項目が挙げられます。 冷蔵・冷凍物流インフラの強化 データ活用による在庫最適化 地域配送網の効率化 拡大を続けるオンライングロサリー市場 近年、急成長しているのがインターネットを活用したオンライングロサリーです。スマホアプリやECサイトからの注文、宅配・ピックアップサービスの普及により、市場規模は年々拡大しています。 成長の背景には、利便性志向の高まりと物流インフラの高度化があります。グローバル規模では調査会社によって予測値に幅がある(*1)ものの、今後10年でCAGR 15〜30%程度の高成長が見込まれるとされています。 (*1)地域・チャネル(自社配送/3PL活用/プラットフォーム型)を対象にするかなどでも変わる。 主要プレイヤーの事例紹介 米国のグロサリーストアは、アメリカ小売業界の中心として生活必需品を提供するとともに、オンライン食料品市場の拡大にも大きく貢献しています。ここでは、代表的な企業とその特徴をご紹介します。 Walmart Walmartは、オンライン食料品市場でもシェア1位を誇り、店舗網を活かした「注文→店舗ピックアップ」や「当日配送」モデルに対応しています。郊外型の大型店舗から都市部の小型店まで幅広く展開しており、日用品や食品、衣料、家電などをまとめて購入できる「ワンストップショッピング」を実現しています。 Amazon Fresh & Whole Foods Amazonは、EC基盤を活かした宅配サービス(Amazon Fresh)と、買収したWhole Foods Marketの実店舗ネットワークを融合させています。特にPrime会員向けの配送無料サービスは競争力が高く、オンライン×オフラインの相乗効果(OMO)を狙っています。 Kroger Krogerはテクノロジー企業と提携し、ロボティクス倉庫やAIを活用した在庫管理を導入しています。地域密着型の店舗網を活かして、オンライン注文の効率化や宅配サービスの充実にも取り組んでいます。 Target Targetは、非食品分野に強みを持つ一方で、食料品の比率も拡大しています。「Order Pickup」や「Drive Up」サービスを強化し、グロサリーを含むオンライン需要に対応しています。近年は食品物流への投資を加速しており、オンライン食料品市場での存在感を高めています。 日本での"グロサリー" 日本では「グロサリー」という言葉は一般的ではなく、スーパーやコンビニが生活必需品の供給源となっています。業界内では「日配品」や「食品スーパー」といった用語がより一般的です。当社グループでもオンライン販売(ネットスーパー)を拡大しつつありますが、これらの比率もまだ数%にとどまります。 一方、米国ではEC利用が急速に拡大しており、日用品の購買習慣そのものが変化しています。 まとめ グロサリーとは、米国小売・流通業界を理解するうえで欠かせない基本概念です。食品・日用品の供給という日常的な役割を担いながら、サプライチェーン効率化やEC市場の拡大といった業界の最新トレンドにも直結しています。 今後はオンライングロサリーのさらなる成長に伴い、伝統的なスーパーマーケットの在り方や、流通インフラの整備にも大きな変化が訪れるでしょう。当サイトでも引き続き注視していきます。 ぜひ、今回の記事を同僚・新入社員の皆さまなど周りの皆さまへご共有いただき、グロサリーに関する理解を深めていただけますと幸いです。 グロサリーに関する注目の記事 当サイトで取り上げている注目のグロサリーに関する記事をご紹介します。ぜひ併せて御覧ください。

仕入れ価格の高騰により、ウォルマートやターゲットですら業績に陰りが出た2022年度の第1四半期ですら、グロサリー・アウトレットは前年同期比で10.5%の売り上げ増を記録しました。

現在カリフォルニア州、ワシントン州、オレゴン州、ペンシルベニア州、アイダホ州、ネバダ州およびニュージャージー州にて418店舗を展開している同社は、オンライン注文への取り組みにも力を入れており、すでにインスタカート社との提携で、約400店舗からのグロサリーのデリバリーを進めていますが、更にウーバーイーツ社によるグロサリー・デリバリーを開始すると発表しました。

グロサリー・アウトレットあるいはウーバーイーツのアプリから注文したグロサリーの当日デリバリーをするもので、初回30ドル以上の注文は無料、あるいはウーバーイーツのメンバーシップ(Uber One)に登録すれば(月会費9.99ドル)何回でも15ドル以上の買い物であれば配送料無料になります。

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