eスポーツが熱い!急拡大する市場と米国小売業の取り組み事例

日本でも徐々に認知度が高まりつつあるeスポーツ*という新しい市場が世界中で注目されています。

*「eスポーツ(esports)」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称。(日本eスポーツ連盟HPより)

 

eスポーツをはじめとするゲームメディア事業を展開しているKADOKAWA Game Linkage社によりますと、日本のeスポーツ市場規模は2019年に60億円を超えたということですが、グローバル規模でゲーム・eスポーツ・モバイル市場の分析を行っているオランダの市場調査会社Newzoo社では、世界のeスポーツの市場規模は2021年に初めて10億ドルを超えるだろうと予測しています。

次のグラフは、ドイツを拠点とする調査会社大手のStatista社が全世界のeスポーツ市場規模をまとめたものですが、2021年の見込10.84億ドルから、2024年には16.18億ドルへと急速に伸びると予測しています。更に、世界的市場調査会社であるData Bridge Market Research社は、eスポーツ市場は2027年には42.8億ドルまで急成長すると報告しています。

 

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※Statista社データ

 

Statista社は世界の地域別eスポーツ市場シェアもまとめています。2019年の収益ベースでのシェアは北米が全体の37%でトップ、中国が19%で2番目、そして韓国が6%で3番目となっています。2023年には中国が21.8%、韓国が18.2%までシェアを伸ばし、北米のシェアは28.7%に下がると予測していますが、今後もしばらくは北米が世界のeスポーツ市場をリードしていくものと見られています。日本のeスポーツ市場シェアは5%程度ということなのですが、2018年が日本にとってのeスポーツ元年ということでまだ歴史も浅く、Newzoo社では、今後大きく伸びる可能性を秘めていると分析しています。

eスポーツの急速な拡大を支える最大の収益源は、スポンサーシップと広告料とされています。2021年のeスポーツ市場における収益源の内訳予測を前述のNewzoo社がまとめたものが以下のグラフです。

 

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全収益の6割強をスポンサー料と広告料が占めていますが、急拡大しているこのeスポーツという新たな市場には直接関連のない様々な業種からの参入が報告されています。

例えばフォルクスワーゲングループ、ダイムラーAG(メルセデス・ベンツ)、マクドナルド等のメジャー企業をはじめとする多くの企業が、世界各地で開催されるeスポーツトーナメントや参戦するチームのスポンサーとして名乗りをあげています。日本国内でもトヨタやスバルなどの自動車メーカーがスポンサー企業となっていますが、背景には車離れの進んでいる若い世代へのアピールがあるということです。

小売業も例外ではなく、アパレル業界ではナイキ、アディダス、チャンピオン、H&M、プーマ、アンダーアーマー、ルイ・ヴィトン等の世界的メジャーブランドが世界中でこの市場に参入しています。eスポーツ市場に関わることが、本業のビジネス拡大にも繋がると考える企業が増えているということが分かります。

 

ウォルマートは、2018年に全米でeスポーツ施設を運営しているEsports Arena社と、ウォルマートのスーパーセンター店舗内にeスポーツ施設を導入することで合意しました。

現在ではウォルマート18店舗に導入されており、eスポーツ愛好者の利用のみならず、セミプロリーグの‘Esports ArenaシリーズE’を2020年から開催しています。今後も導入店舗の拡大を予定しているということです。

また、今年の2月8日から3月15日まで、ウォルマート店舗にてケロッグ社商品を購入してレシートをアップロードすると、抽選でEsports Arena社主催のオンライン・eスポーツトーナメントの無料入場券がプレゼントされるというキャンペーンを行うなど、eスポーツへの取り組みを強化してます。

 

ティーンエイジャーおよび8〜12歳のキッズ向けの玩具、化粧品、ファッションなどを、全品5ドル以下という低価格で販売し急成長している’Five Below (ファイブ・ビロー)社’ も、全米でeスポーツ施設ネットワークとゲームイベントの運営をしているNerd Street Gamers社と提携し、テキサス州内のファイブ・ビロー2店舗にeスポーツの施設を導入しており、今後数年で70店舗以上への導入を予定しているということです。

 

アメリカ最大のモール運営会社であるSimon Property Groupは、コロナ禍で影響を受けているモール内へeスポーツ施設の誘致を開始しています。世界的なeスポーツエンターテイメント企業であるAllied Esports Entertainment社と提携し、モール内の2層構造約1,300uのスペースにeスポーツプロトーナメントをはじめとしたイベント開催が可能な施設をオープンしており、施設内には映像配信機器も設置されているということです。

 

他にも世界でECサイトの開発・運営を手掛けるプラットフォーム企業Shopify社が、独自のeスポーツチーム‘Shopify Rebellion’を立ち上げ、プロトーナメントに参戦すると発表したばかりです。

 

今後も拡大を続けて行くとみられるeスポーツ市場と小売企業の参入動向について、引き続き注目していきます。


(2021.4.9配信/記事作成:イオンコンパス(株)営業戦略部)

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