コロナ禍でも成長!売り場拡大を続けるアメリカ食品小売企業ランキング(2021)

アメリカを拠点に世界80カ国で不動産に関わる全てのサービスを提供している会社JLL(Jones Lang LaSalle - ジョーンズ・ラング・ラサール)が最新調査レポート「Grocery Tracker 2022」を発表しました。

調査結果によると、新型コロナによる世界的パンデミック下において、必要不可欠なビジネスとして最も成長したのは食品小売企業であり、アメリカにおける食品小売業の売上はパンデミック前の2019年比で、2020年は9.4%、2021年には約16%伸びて8,030億ドルに達しているというデータを発表しています。

不動産投資スタートアップ企業のDatex Property Solutions(ダテックス・プロパティ・ソリューションズ)も、パンデミック下における食品小売企業の成長を裏付けるデータを発表しており、2021年のアメリカにおける食品小売企業への新規不動産リース実績が対2019年でほぼ2倍になったと報告しています。
今回は、前述のJLLの最新調査レポート「Grocery Tracker 2022」で発表された、昨年1年間で売り場スペースを増やした食品小売企業のランキングをご紹介します。
 


圧倒的な首位はドイツを拠点としているアルディで、昨年1年間で約220平方フィート(約21万㎡)の売り場面積を新たに追加しました。アルディについては2月の弊社トレンド・ピックアップ「アルディが店舗数でアメリカトップ3へ<2/09>」でもご紹介しましたが、現在アメリカ国内では約2,100店舗を展開しているハードディスカウントチェーンです。2022年中に新たに150店舗の新規出店を計画しており、年内にもウォルマート、クローガーに次いで店舗数でもアメリカトップ3に入る見込みです。

2位は東海岸中南部の7つの州で約1,290店舗を展開しているパブリクスでした。同社は同じく東海岸のみでの店舗展開ながら全国的な人気を誇るウェグマンズと人気を2分している大型食品小売チェーンで、2021年には拠点のフロリダ州を中心に約130万平方フィートの売り場を追加しました。


3位には西海岸を中心に約400店舗を展開しているグロサリー・アウトレットが入りました。同社については2020年1月のメールマガジン「2020年注目企業!グロサリー・アウトレット」でご紹介しましたが、毎日1,500を超えるサプライヤーから商品を仕入れ、一般のスーパーよりも40〜70%安い価格で商品を提供することで伸びているディスカウント・チェーンです。アルディやリドルがプライベートブランドを中心に価格訴求をしているのに対し、グロサリー・アウトレットはナショナルブランド商品を破格値で提供しているところが最大の特徴であり、昨年1年間で約90万平方フィートの売り場を新たに追加しました。同社は2022年にも更に28店舗の新規出店を予定しています。

4位以降の特記事項としては、アマゾン傘下のアマゾン・フレッシュとホールフーズの2店舗がランクインしたことがあげられます。特にアマゾン・フレッシュは2021年以降現在までに20店舗以上を新規出店しており、ほぼ全店に同社独自の買い物体験が可能なJust Walkout(ジャスト・ウォークアウト)を導入しています。それ以外にもスマホを使わず、手のひら認証のみで入店から決済まで完了するアマゾン・ワンも導入しています。3月のトレンド・ピックアップ「アマゾンが4スター店舗とブックストアを閉店<3/03>でもご紹介しましたが、アマゾンはアマゾン・フレッシュなどのグロサリー業態に注力するために、アマゾン4スターやアマゾンブックス等68店舗の閉店も発表しています。

今回は新たな売り場スペースからみたアメリカ食品小売企業のランキングでしたが、今後も様々な切り口のランキングをご紹介していきたいと思います。

(2022.4.15配信/記事作成:イオンコンパス(株)営業戦略部)

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