コロナ禍で存在感!アメリカ小売企業の取り組み

1年以上に渡り世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスは、年が明けても感染の拡大は止まらず、国際的統計ウェブサイトを運営しているワールドメーター(Worldmeter)によりますと、1月19日現在で全世界の感染者数は9,600万人に迫り、死者数も200万人を超える状況となっています。

 

日本でも、連日過去最高あるいは曜日過去最高の感染者数が発表されており、11の都府県で2度目の緊急事態宣言が発令されている状況です。

 

この状況下で大きな希望となっているのが、治療薬とワクチンの開発です。

特に感染自体を抑え込むことが期待されるワクチンは異例のスピードで開発が進み、アメリカのファイザー社、モデルナ社、ドイツのビオンテック社、イギリスのアストラゼネカ社等によるワクチンが正式に認可されるに至り、一部の国ではすでに接種が始まっています。

世界有数の統計データプラットフォームであるスタティスタ(Statista)社によって、2021年1月17日付の情報として、新型コロナウイルスのワクチン接種が人口100人当たりで最も進んでいる国のランキングが発表されておりますのでご報告します。

 

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※Statista社データ

 

アメリカは100人当たり3.71人ということで、世界で5番目ということになっていますが、ワクチンの数が十分でもそれを接種するための人員や場所の確保、およびワクチンの流通といった大きな課題が残っており、当初の予定よりも大幅に遅れているのが現状です。

このような状況の中、これまで新型コロナウイルス対策として、店内で人と人との距離を保つことや、レジ周りのプレキシガラス(アクリル板)導入による飛沫防止等で感染症対策をリードしてきた小売業が、ワクチン接種の推進という極めて重要な段階においてもいち早く取り組みを開始しているとして多くのメディアによって報道されています。

 

いくつか代表的な事例について以下にご報告します。

 

 

企業名

取り組み内容

1

マイヤー(Meijer)

1月18日より65歳以上の高齢者を対象に拠点のミシガン州の店舗内薬局でファイザー社製のワクチン接種を開始。今後中西部のオハイオ、インディアナ、イリノイ、ケンタッキーおよびウィスコンシン州に拡大予定。

2

ウェグマンズ(Wegmans)

1月18日の週にニューヨーク州の9店舗内の薬局にてモデルナ社製のワクチンを配備し、75歳以上の高齢者および同社従業員に対して接種を開始。

3

パブリクス(Publix)

拠点のフロリダの店舗内薬局22カ所にて、モデルナ社製のワクチン15,000人分を65歳以上の高齢者から接種開始。1月16日からジョージア州内の店舗内薬局108カ所にて接種を開始。全て同社のオンライン特別サイトからの予約による対応。

4

クローガー(Kroger)

1月18日の週から徐々にファイザー社製およびモデルナ社製のワクチンを同社店舗内薬局に配備し、同社ホームページ特別サイトに最新情報のアップと予約受付を開始。

5

ウォルマート(Walmart)

昨年12月から全てのウォルマート店舗および傘下のサムズ・クラブ店舗での接種準備を開始し、12月23日からニューメキシコ州の医療従事者に対してモデルナ社製のワクチン接種を開始。現在、全店舗への拡充を準備中。

6

アルバートソンズ(Albertsons)

同社および傘下企業のボンズ(Vons)およびパビリオンズ(Pavilions)において、サンディエゴを中心としたカリフォルニア州南部の店舗内薬局37店舗にそれぞれ200人分のワクチンの配備が完了しており、医療従事者を優先して接種を開始。

 

これらはあくまでも一例で、テキサス州拠点のエイチ・イー・バット(H-E-B)、アイオワ州拠点で中西部8州に約240店舗を展開しているハイヴィー(Hy-Vee)、アメリカ東部最大のチェーンでストップ&ショップ(Stop & Shop)、フード・ライオン(Food Lion)、ジャイアントフード(Giant Food)等を展開しているアホールド・デレーズ(Ahold Delhaize)などほとんどの小売企業が、着々とワクチン接種の準備をスタートさせています。

 

また、バイデン新大統領就任直後に、アマゾン(Amazon)が「新大統領就任後100日以内にアメリカ国民の1億人にワクチン接種を完了するというミッションに対する協力体制はできている」という書簡を送ったことが大きく報道されており、改めて同社の存在感を高めることに成功したようです。

 

2018年に経営破綻したかつてのアメリカ小売業の雄、シアーズ(Sears)の閉鎖された店舗の多くが、ワクチン接種会場として再利用されるということも決定しています。

広大なパーキングスペースがあり、多くの店舗が最寄りのインターチェンジから理想的な場所に位置しているということから有効活用されるということです。

 

これからも小売企業による新型コロナウイルスへの対応について注目していきたいと思います。

 

(2021.1.26配信/記事作成:イオンコンパス(株)営業戦略部)


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