2020年は新型コロナウイルス感染症が全世界を混乱に陥れた年となりました。
航空会社を含む旅行・レジャー関連産業をはじめ、日用品・生活必需品を除く小売や製造業、飲食業等多くの産業や、教育の現場にまで多大なインパクトを与え、いまだ収束の見込みが立っていない状況です。
このような過酷な環境下で、小売業に関してはeコマースの伸びが一つの明るい望みになったと言えます。eコマースの成長は全世界で共通する傾向ですが、アメリカを拠点とするデジタルマーケティングの調査会社大手イーマーケッター(eMarketer)社の最新のデータによりますと、対前年比で最もeコマースの売り上げが伸びたエリアはラテンアメリカで、前年比で36.70%の伸びを記録し、約850億ドルの市場に成長しています。以下にeMarketer社のデータをご紹介します。
2009年にeMarketer社がこの調査を開始して以降、アジアが常にトップの成長率を誇っていましたが、今回の調査で初めてラテンアメリカがトップになりました。
この結果に影響を与えたものとして、新型コロナウイルスによって、ラテンアメリカの2大経済大国であるアルゼンチンとブラジルで行われた長期間のロックダウンがあると報告されています。アルゼンチン・ブエノスアイレスでは3月20日から11月上旬まで、ブラジル・サンパウロでは3月22日から12月16日までという、世界でも最も長い期間に渡る都市のロックダウンが敢行され、多くの市民が日常の買い物をオンラインにシフトしたということが調査結果の背景になっています。
eMarketer社が調査した全32カ国の中で最も成長率の伸びた上位5か国は以下のグラフの通りです。
グラフからもわかるように、アルゼンチンが79%と驚異的な成長率を見せています。
今後、新型コロナウイルス感染症が収束した後もこの傾向が続いていくのかどうか、ラテンアメリカの小売市場にも注目をしていきたいと思います。
(2020.12.28配信/記事作成:イオンコンパス(株)営業戦略部)
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