コロナ禍で変動する企業の評判ランキング

新型コロナウイルス(Covid-19)は相変わらず国内外で猛威を振るっており、アメリカでは8月7日時点で感染者が500万人を超え、連日5万人強の新規感染者が報告されています。

長期化が危惧されているコロナ禍の中、当メールマガジンではこれまで4回にわたり、アメリカの小売企業を中心に様々な角度からのレポートをお届けしました。

@     世界的危機下で信頼される小売企業(4月03日配信)

A     危機下における購買行動の変化と小売企業の新しい動き(4月17日配信)

B     コロナ禍の中で強さを発揮している小売企業は?(5月01日配信)

C     コロナ禍のもと急加速するオンライン・グローサリー利用者数の増加(7月06日配信)

 

今回は、新しく、アメリカの企業を評価する消費者調査についてご紹介します。これまで当メールマガジンでは紹介していなかった調査ですが、毎年行われている定期的な調査が今年はコロナ禍の中で行われたということで、上位にランクインする企業が例年から大きく変わっているというところが注目ポイントです。

シカゴとニューヨークに本社を持つ市場調査会社大手のハリス・ポール(Harris Poll)社は、毎年1月から2月にかけて「アメリカにおける企業の評判〜Corporate reputation」を調査し、ランキング化したものを3月に公開していましたが、今回は1月から2月の調査途中に新型コロナウイルスが猛威を振るい始め、多くの企業が多大な影響を受け始めたこともあり、6月から7月にかけて再調査を実施しました。

調査内容は、アメリカに拠点を持つ全業種の企業を対象に、一般消費者に以下の7つの項目について「優れていると思う企業」を2社、「そうでないと思う企業」を2社選択してもらう、いわゆるトップ・オブ・マインド(Top of mind)調査と呼ばれる、市場調査やブランド認知分析などで使われる手法で行われた調査で、その結果を‘評判の指標(Requtation Quotient)’として100点満点で総合的に数値化したものです。

 

質問項目は以下の7つです。

 

項目@

信頼性(trust)

あなたが信頼する企業は?

項目A

将来性(vision)

将来に向けての明確なビジョンのある企業は?

項目B

成長性(growth)

今も、今後も伸びていくと思う企業は?

項目C

商品・サービス(products and services)

あなたが望む革新的な商品やサービスを提供してくれる企業は?

項目D

体質(Culture)

あなたが働きたいと思える企業は?

項目E

倫理(Ethics)

高水準の企業倫理を持っている企業は?

項目F

市民性(citizenship)

価値観を共有できる企業は?

 

今回の調査では、アメリカ国民34,026人からオンラインインタビュー形式で集めた回答が数値化されております。それぞれのスコアについて、80ポイント以上は「優れている」、75〜79ポイントは「非常に良い」、70〜74ポイントは「良い」、そして65〜69ポイントは「普通」と評価されています。

 

最新のトップ10企業とその他代表的企業の順位、ポイント、昨年の順位をまとめた表を以下にご紹介しますが、調査を行ったハリス・ポール社によると、新型コロナウイルス禍の環境下で消費者に望まれた商品やサービスを提供している企業がランキングを改善したということが今回の大きな特徴に挙げられるとのことです。

 

順位

企業名

企業概要

スコア

昨年

順位

1

クロロックス(The Clorox Company)

漂白剤メーカー

82.8

-

2

ハーシー・カンパニー(The Hershey Company)

チョコレートメーカー

81.5

-

3

アマゾン(Amazon.com)

ECサイト

81.4

2

4

パブリクス(Publix Supermarkets)

スーパーチェーン

81.2

6

5

ゼネラルミルズ(General Mills)

食品メーカー

81.2

-

6

ウェグマンズ(Wegmans)

スーパーチェーン

80.4

1

7

コストコ(Costco)

会員制ホールセールクラブ

80.3

18

8

プロクター&ギャンブル(Procter&Gamble Co)

一般消費財

79.9

-

9

クローガー(The Kroger Company)

スーパーチェーン

79.4

21

10

ユーピーエス(UPS)

国際輸送サービス

79.4

11

 

コロナ禍の中で、消毒液、ティッシュペーパー、トイレットペーパーをはじめとする衛生用品への需要が大幅に高まり、

昨年までランクインしていなかったクロロックス社やプロクター&ギャンブル社が上位にランクしています。

感染拡大の中で、エッセンシャル(必要不可欠)業態の一つとして営業を続けた食品スーパーは強みを発揮しており、

アマゾン(ホールフーズのオーナー)、パブリクス、ウェグマンズ、コストコおよびクローガーの5社がトップ10に入りました。

 

11位以下の企業で、新型コロナウイルスの影響で順位を大きく伸ばしたと思われる主な企業は次の表のとおりです。

 

順位

企業名

企業概要

スコア

昨年

順位

11

チックフィレ(Chick-fil-A)

ファストフードチェーン

79.2

22

13

フールー(Hulu)

ストリーミングサービス

78.8

-

17

ネットフリックス(Netflix)

ストリーミングサービス

78.4

24

28

ズーム(Zoom)

ビデオ会議サービス

76.7

-

37

CVS/ファーマシー(CVS Pharmacy)

ドラッグストアチェーン

75.6

48

42

ドアダッシュ(DoorDash)

フードデリバリー

75.1

-

44

インスタカート(Instacart)

グロサリーデリバリー

74.7

-

51

ターゲット(Target)

スーパーチェーン

74.2

72

53

グラブハブ(Grubhub)

フードデリバリー

73.8

-

 

オンラインオーダーにいち早く対応したファストフードチェーンのチックフィレ、ステイホーム期間中に会員登録が激増した映像ストリーミングサービスのフールーとネットフリックス、食品やグロサリーデリバリーのドアダッシュ、インスタカート、グラブハブ等多くの企業が初のランクインを果たしています。

 

変化に対応した商品やサービスをいち早く提供できる企業こそ社会環境が変化する中でも生き残っていけるという事実は、今後も変わらない条件になるようです。

今回のパンデミックが収束した後、今回取り上げた企業がどのように成長を遂げてゆくのか、引き続き注目して行きたいと思います。

 

 

 

(2020.8.11配信/記事作成:イオンコンパス(株)営業戦略部)

関連情報

関連記事@:企業情報「パブリクス」

関連記事A:企業情報「ウェグマンズ」

<流通視察セミナーのご案内>

注目企業の視察をご提案しています。是非お問合せください。

ご希望の日程に合わせた視察のオーダーメイドが可能です。

オーダーメイドツアー受け付けます
▲このページのトップに戻る