これまでメールマガジンにて、食品小売りの激戦区としてノースカロライナ州のトライアングル地区とバージニア州のリッチモンドについてご紹介してきましたが、やはり多くの小売企業から注目されているのは、全米の最大都市圏である東海岸ニューヨーク・ニュージャージー地区と、西海岸ロサンゼルス地区ではないでしょうか。
③10年間で経済状況が大きく変化している
2006年から2016年の10年間での経済状況の変化において、全米都市の中で最も変化した都市ランキングの2位となっている。アメリカ合衆国商務省経済分析局のデータでは、トヨタ自動車の工場をはじめとする企業の流入や、犯罪率の43%減少、平均所得の23%のアップ等の影響により、2011年以降毎年約4%前後の経済成長率を実現している。
ウォルマート(Walmart)は、ダラス地区を同社最大のマーケットと捉えており、現在は一旦停止しているスキャン&ゴーの実験をダラス地区の10店舗で開始しています。また、オンラインで注文した商品を店舗駐車場で受け取るカーブサイドピックアップサービスや、同社初のガソリンスタンド併設コンビニエンスストアもこの地で最初に導入をしました。現在は、オンラインで注文した食料品を含む商品を店内で自動ピックアップタワーで受け取ることができるサービスを20店舗で展開していますが、2018年末までに新たに4店舗、2019年早々に7店舗で導入する予定です。
最後に、前述のダラス・モーニングニュースの電子版がまとめたダラス・フォートワース地区の最新の食品小売市場ランキングをご紹介します。
ダラス・フォートワース地区は上記のように小売企業各社の最新の取り組みが積極的に行われており、シェア争いも過熱しています。同地区の食品小売マーケットは、現在約175億ドルの市場と言われており、全国展開をしているウォルマートとクローガーが2大勢力となっていますが、地元企業のトム・サム(Tom Thumb)や前述のH-E-B / セントラルマーケット等が非常に元気で、そこにウィンコ・フーズ(Winco Foods)、スプラウツ・ファーマーズマーケット(Sprouts Farmers Market)やアルディ(Aldi)といった伸び盛りの企業等が熾烈な争いを繰り広げています。
(2018.11.1配信)
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関連記事①:新激戦区!米国ノースカロライナの小売事情
関連記事②:ウェグマンズVSパブリクス!リッチモンドで初競合
関連記事③:小売の新激戦区!リッチモンド最新事情
関連記事④:クローガーが撤退!食品小売超激戦区・ノースカロライナ
昨年からメールマガジンにて、食品小売りの激戦区としてノースカロライナ州のトライアングル地区とバージニア州の
リッチモンドについてご紹介しましたが、やはり多くの小売企業から注目されているのは、全米の都市圏として最大の東海岸ニューヨーク・ニュージャージー地区と、2番目の西海岸ロサンゼルス地区になると思います。
ただし、この2つのマーケットは小売店舗スペースの賃料においてもアメリカで1位と2位となっており、小売企業にとって大きな負担となっているのが現状のようです。
世界的不動産サービス企業のクッシュマン&ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield)社が2017年11月に発表した
調査結果では、ニューヨークの5番街の年間平均賃料が1平方フィート当たり約3,000ドルで、これは銀座の約2.5倍(1,200ドル)にあたり、ロサンゼルスのロデオドライブの年間平均賃料は約875ドルということです。
ニューヨーク最大の不動産仲介業のダグラス・エリマン(Douglas Elliman)社によると、マンハッタンの小売店舗の空室率が、2016年に7%程度だったものが2018年になって約20%にまで拡大しており、ブロードウェイだけで188店舗分の空きスペースが存在しているということで、世界で最もゴージャスなゴーストタウンとレポートしています。
このような状況の中、アメリカ西南中部に位置するテキサス州のダラス・フォートワース地区が、ここ数年多くの食品小売企業から注目されている市場となっています。
このエリアが注目されている代表的な理由は以下の通りです。
① 小売店舗の年間平均賃料が、中心部のハイランドパークでも1平方メートル当たり約175ドルと、マンハッタンの
17分の1、ロサンゼルスの5分の1と破格である。
② 2010年以降の人口増加が顕著で、アメリカ合衆国国税調査局のデータでは、2010年から2017年までの人口増加率が15.15%ということで、ニューヨーク地区の3.85%、ロサンゼルス地区の4.09%と比べ大幅に増えていること。 特に2016年単年で新たに14万3千人強の転居者があったということです。
③ 2006年から2016年の10年間での経済状況の変化において、全米都市の中で最も変化した都市ランキングの
2位となっていること。 アメリカ合衆国商務省経済分析局のデータでは、トヨタ自動車の工場をはじめとする企業の流入や、犯罪率の43%減少、平均所得の23%のアップ等の影響により、2011年以降毎年約4%前後の経済
成長率を実現している。
特に小売企業のオンライン対応のための実験都市としてここ数年注目されるようになってきたということで、多くの企業がこの地で様々な取り組みを行っていると、ダラスの地元紙であるダラス・モーニングニュース(The Dallas Morning News)社が報じています。
ウォルマート(Walmart)は、ダラス地区を最大のマーケットと捉えており、現在は一旦停止しているスキャン&ゴーの実験をダラス地区の10店舗で開始し、オンラインで注文した商品を店舗駐車場で受け取るカーブサイドピックアップサービスや、同社初のガソリンスタンド併設コンビニエンスストアもこの地で最初に導入しました
現在は、オンラインで注文した食料品を含む商品を店内の自動ピックアップタワーで受け取ることができる店舗が20店舗となっており、年末までの新たに4店舗、2019年早々に7店舗を追加する予定です。
クローガー(Kroger)は同社のカーブサイドピックアップサービスであるクリックリスト対応店舗の導入に力を入れており、全米で出店する店舗の約4割をダラス・フォートワース地区に集中させており、更にワインの宅配サービスもダラス地区でいち早く導入する予定となっています。 この背景には今年の6月にアマゾンがテキサスエリアで、ビールとワインの宅配を開始したことがあると言われています。
地元の人気企業のH-E-B / セントラルマーケット(H-E-B / Central Market)も食品宅配の専門企業のシプツ(Shipt)と
インスタカート(Instacart)との提携により、食品宅配とカーブサイドピックアップに対応しています。
ダラス・フォートワース地区の食品小売マーケットは、現在約175億ドルの市場と言われており、全国展開をしている
ウォルマートとクローガーが2大勢力となっておりますが、地元企業のトム・サム(Tom Thumb)や前述のH-E-B /
セントラルマーケット等が非常に元気で、そこにウィンコ・フーズ(Winco Foods)、スプラウツ・ファーマーズマーケット
(Sprouts Farmers Market)やアルディ(Aldi)といった伸び盛りの企業等が熾烈なシェア争いを繰り広げている地域です。
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