9月6日に米国のレピュテーション・インスティチュートによる、「評判の良い小売企業ランキング2018」が発表されましたので、ご紹介します。
このランキングは、一般の有識者と88社を合わせた約10,000件の評価を数値化したものを基にしており、企業の評判に関する調査では最も大規模なものです。各企業に対する評判は、感覚的なステークホルダーとの関係性や、その企業の商品の購入動機、他人への推薦、更にその企業への就職や投資についてなど幅広い項目を定量化することで導き出されています。
以下がランキングのトップ10企業です。
順位 | 企業名 | 主な取り扱い商品 |
1 | Barnes & Noble(バーンズ&ノーブル) | 書店 |
2 | Amazon(アマゾン) | 生活用品等 |
3 | Cabela’s(カベラス) | アウトドア用品 |
4 | Auto Zone(オートゾーン) | 自動車用品 |
5 | Costco(コストコ) | 食料品、生活用品等 |
6 | Ace Hardware(エース・ハードウェア) | 電子機器 |
7 | Tiffany & Co.(ディファニー) | 宝飾品 |
8 | Williams-Sonoma(ウィリアムズ・ソノマ) | 家庭用品 |
9 | PetSmart(ペット・スマート) | ペット用品 |
10 | Publix(パブリクス) | グローサリー |
(レピュテーション・インスティチュート発表のランキングより抜粋)
バーンズ&ノーブルは様々な項目に対して総合的に高い評価を得て、ランキング1位になりました。また、グローサリーの小売りチェーンとしてはパブリクスが最も上位の10位にランクインしています。
ランキング1位のバーンズ&ノーブルや10位のパブリクスは、評判に大きく影響する自治体との協力関係に強みを持っているとのことです。小売りチェーンとして唯一トップ10入りしたパブリクスは、地域の雇用創出などで地域社会へ貢献していることが、特に評価されています。
2014年〜2016年まではアマゾンが米国で最も評判の良い小売企業でしたが、2018年の評価では総合的に複数の項目で評価を落としています。特に職場や市民権、ガバナンスに関する項目で大きく評価が下がったとのことです。企業規模が拡大するのに反比例した結果となっているとのことです。
今年度の調査結果の傾向としては、小売企業全体の評判が2017年の調査よりも低下しているとのことです。その中でも上位のトップ5にランクインした企業は、価格に対する商品価値が高いことが評価されている傾向にあるとのことです。また2018年の結果で新しい重要な評価基準としてエシカル消費が挙げられています。エシカルとは「倫理的な」という意味で、人や環境・社会に配慮した消費行動を指しています。生産において道徳に反するようなことが行われていないか、消費者の関心が高まっているとことが見受けられます。
評判については企業規模や売り上げではなく、ステークホルダーとの関係性や企業理念、商品価値など、全方位における取組が重要になると考えられます。これまでも様々なランキングをご紹介していますが、評判に関するランキングも、企業価値を測る一つのものさしになるのではないでしょうか。
(2018.10.01配信)
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