実店舗の栄枯盛衰…北米小売企業の最新事情

前回のメールマガジンで、加速するアマゾンの実店舗展開についてご紹介しましたが、今回は、実店舗での販売を

中心とした米国小売企業の現状についてご紹介します。

 

世界有数の経済誌 ‘Forbes(フォーブス)’の電子版に、多くの小売企業が、この激動の時代にあまりに多くの実店舗を持ち過ぎたことにようやく気付き始めたというレポートが掲載されました。

オムニチャネル化により、実店舗からオンラインへと消費者の購買習慣が大きく変わってきており、従来の大規模

店舗を中心としている小売企業が、ここ数年苦戦しています。

そのような状況の中で、2017年に閉店、あるいは閉店を予定している企業は以下の通りであり、これらの店舗閉鎖によりおよそ50,000人のスタッフが職を失うとのことです。

企業名 業種 閉店店舗数 状況
Payless Shoes(ペイレスシューズ) シューズ 1,000  
Radio Shack(ラジオ・シャック) 家電 552 倒産
The Limited(リミテッド) アパレル 250 2017年1月全店閉店
Family Christian(ファミリー・クリスチャン) クリスチャン専門ショップ 240  
Wet Seal(ウェット・シール) アパレル 171 倒産、2017年1月6日全店閉店
Crocs(クロックス) シューズ 160  
J.C.Penny(JCペニー) 百貨店 138 2017年4月より順次閉店
Chico(チコ) アパレル 120  
BCBG Max Azria(マックスアズリア) アパレル 120 倒産、初春より閉店
Kmart(Kマート) スーパー 108 春より閉店
American Apparel(アメリカン・アパレル) アパレル 104 倒産、全店舗閉鎖済み
Office Depo(オフィス・デポ) 文具 100 閉店見込み
hhgregg(hhグレッグ) 家電 88 倒産
CVS ドラッグ 70  
Macy's(メイシーズ) 百貨店 63 初春より閉店
Guess(ゲス) アパレル 60  
Gander Mountain(ガンダー・マウンテン) アウトドア 60 倒産
Abercrombie & Fitch(アバクロ) アパレル 60 2017年リース契約終了
American Eagle(アメリカン・イーグル) アパレル 50 3年間で150店舗以上閉店
Sears(シアーズ) 百貨店 42 春より閉店
Estern Mountain(イースタン・マウンテン) アウトドア 35  
合計   3,591  

(Forbes電子版サイトより)

 

業種をみると、衣料系の小売企業の閉店や倒産が目立ちます。

また、世界的な経済・金融情報配信サービスを行っているBloomburg(ブルームバーグ)社の最新の情報では、1976年にサンフランシスコで創業した女性向けアパレルチェーンのBebe(ベベ)も、ここ4年の経営不振により、全170店舗の閉鎖を予定していると報道されています。

 

このような暗いニュースが多い一方で、実店舗型ながら、着実に店舗数と売り上げを伸ばしている企業も存在します。

特に、店舗閉店・倒産が相次いでいる衣料系小売企業では、オフプライスストアが台頭し、業績を伸ばしています。

 

【好調企業】

経済ニュース専門チェンネルのCNBC.COMによると、オフプライス業態のTJX, ROSS(ロスストア)およびBurlington(バーリントン)の3社合計で、2017年に約300の新店舗のオープンを予定しているということです。

*TJX -- マサチューセッツに本拠を持つアパレルおよびホームファッションのオフプライスリーディング企業で、特にアウトレットアパレルブランドのT.J.Maxx(TJマックス)とホームファッションのMarshalls(マーシャルズ)が良く知られています。現在全世界で約3,800店舗を展開中で、 2016年度の年間売り上げは、対前年比7%の増加と好調です。TJマックスは2015年にメイシーズの売り上げを追い越しました。

*ROSS -- カリフォルニア州ダブリンに本社を持つ家庭ファッション、シューズ、アクセサリー等を取り扱う全米オフプライスNo.2の企業です。 特にファッション、インテリア用品、キッチン用品、化粧品・コスメ、おもちゃ等が激安で買える

  Ross Dress for Less(ロス・ドレス・フォーレス)が人気で、2017年に70店舗を追加出店する予定とのことです。

2016年度の売り上げは、対前年比8%の増加となり、非常に好調な企業です。

*Burlington -- ニュージャージー州フローレンス・タウンシップに本拠を持つアパレル全般のオフプライス企業で、全米

  45州とプエルトリコで592店舗を展開しています。高品質なデザイナーブランドや有名ブランドの商品を最大65%オフで購入できます。

2016年度の売り上げは対前年で6.2%の増加となり、好調な結果となっております。

 

従来のデパートメント業態では不調のNordstrom(ノードストローム)も、オフプライス業態であるNordstrom  Rack(ノードストローム・ラック)では、2016年度の売り上げが前年の10%増となっており、好調です。

 

 

また、以前のメールマガジンでご紹介した、Aldi(アルディ)等のディスカウントストアも好調です。

ディスカウントストアの注目の企業として、ティーンネージャーおよび8〜12歳のキッズ向けの玩具、化粧品、ファッションなどを、全品5ドル以下という低価格で販売している’Five Below (ファイブ・ビロー)社’ をご紹介します。

日本ではあまり知られていませんが、同社は北米中東部をメインに522店舗(2017年1月現在)を展開しており、11四半期連続して既存店ベースでプラス成長をしている伸び盛りの企業です。

2002年にペンシルベニアで創業した歴史の浅いチェーンストアですが、着実に成長を遂げてきました。

2016年には85店舗を新たにオープンし、2017年にはカリフォルニア州1号店を含めた100店舗をオープンする予定とのことです。

2016年度の売り上げは、創業以来はじめて10億ドルを突破し、対前年で20.2%の伸びを記録しました。(Chainstore Age電子版情報)

勿論オンラインでの販売にも力を入れていますが、基本は実店舗での販売であり、今後も同社の動きは要注目です。

現在の店舗展開状況は以下のマップの通りです。

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※Five Below社ホームページより

(2017.04.11)

関連情報

関連記事:企業情報「ALDI」

 

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