「ホールフーズ」が挑戦するオーガニック+付加価値

 ◆高まる健康志向と支持されるオーガニックスーパー

2004年以降、日本でも使われ始めたアメリカのマーケティング用語「LOHAS」。健康志向に関連して最近は「オーガニック」という単語も頻繁に使われるようになりました。

LOHAS=人や地球にとって健康で持続可能なライフスタイル

オーガニック=環境や社会問題に対する安全・安心な品質を維持する取り組み

それぞれの意味するところは若干異なっていますが、「オーガニック」は「LOHAS」を実現するための手段だと考えた方が分かりやすいかもしれません。

アメリカの広大な農地で作物を大量生産するためには、殺虫効果の高い農薬を使う事が必要であり、それは収穫物の残留農薬となって、人々の食卓に影響を与えます。

残留農薬の危険性が世間に知られるようになったことや、食に対しての「安全」「安心」を求める消費者の声が高まる中、農薬や化学肥料に頼らない自然の力を活かした生産方法を多くの人々が支持するようになってきました。 

アメリカで「オーガニックスーパー」の代表格として挙げられるのが「ホールフーズ」。徹底したオーガニック志向の品揃えで、オーガニック商品の専門店のような佇まいを見せています。

PB、NBに関わらず、「オーガニック」にまつわる商品が豊富であることが特徴で、そのこだわりからやや割高感はあるものの、「安心と信頼」の付加価値によって多くのお客さまから支持をされているスーパーです。

◆ホールフーズにも変化の兆しが・・・

そんなホールフーズが低価格の新フォーマット「365 by WHOLE FOODS MARKET」を2016年より展開する事を発表しました。既に「オーガニックスーパー」として、確固たる地位を確立しているホールフーズが新しい計画を進めている背景には、以下の二つの要因が考えられます。

1.オーガニックが定番化

市場にオーガニック商品が溢れているため、単に「オーガニック」を扱うだけでは特別感がなくなっています。価格訴求型ウォルマートでも、オーガニック商品の展開を行っているため、差別化が図れません。

2.新たな顧客層への訴求

中流〜富裕層だけをターゲットとする場合、すでにこの層ではオーガニック志向の商品は供給過多となっているため、若者や低所得者でも手の届きやすい廉価版の商品を提供することで、新たなターゲットを創出する狙いです。

◆オーガニック+αで生まれるお客さまとのWin-Winな関係

脱・添加物、脱・化学調味料、フェアトレード、環境問題に配慮した製造・生産過程などの取組が、オーガニックに付随して求められる「付加価値」となってきています。

ホールフーズでは独自の商品の生産・加工基準を設定し、お客さまに見える取組をしています。

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こうした取組によって、企業として「社会問題」や「環境問題」に貢献することで、CSRから一歩進んだ「CSV(Creating Shared Value)」を実現でき、お客さまと価値を分け合う関係を築く事が可能になっていきます。

お客さまと企業とのWin-Winの関係構築のためのチャレンジが、お客さまから信頼される店・商品づくりに繋がっているのではないのでしょうか。

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