◆店内無料Wi-Fi
アメリカの調査会社IHLグループ社が、100社以上の大手チェーンストア等に行った調査「Impact of Store Networks and Wi-Fi on Customer Experience(店内ネットワークとWi-Fi導入が顧客体験に与える影響)」によると、店内Wi-Fiを導入した28%の企業が、顧客ロイヤリティが高まり、顧客の店内滞在時間が伸びた、と回答。売り上げは、2%増加したことが報告されています。中でもHospitality業態(ファーストフードやレストランなどのフードサービス企業)では、61%の企業が顧客ロイヤリティが高まり、59%の企業が店内滞在時間が伸びた、と回答。滞在時間が伸びたことで、追加注文が増え、売り上げは2.7%増加した、という調査結果になっています。
※表は、アメリカの調査会社IHLグループ社の調査レポート「Impact of Store Networks and Wi-Fi on Customer Experience」より抜粋 ※表内の語句 [Figure10,11](単位は%、伸びた、と回答した企業の割合) Customer Loyalty:顧客ロイヤリティ/Time in Store:滞在時間/Sales:売上 [Figure14](単位はいずれも百万) 左より順に、平均売上高/平均売上伸び率/ Wi-Fi/モバイル端末導入前の平均EBITA(金利・税金・償却前利益)/ Wi-Fi/モバイル端末導入後の平均EBITA(金利・税金・償却前利益)/ EBITA(金利・税金・償却前利益)の増加 [Figure10,11,14] General Merchandise:ジェネラルマーチャンダイズ(百貨店からハイパーマーケットまでを含む)業態 Food・Drug・C-Stores:食品スーパー・ドラッグストア・コンビニエンスストア業態 Hospitality:ファーストフードやレストランなどのフードサービス業態 ※1ドル=100円換算 |
また、従業員向けの店内Wi-Fi環境整備により、従業員はタブレットPOSレジなどモバイル端末の活用が可能となり、その結果、顧客対応が向上、売り上げも増加したことも明らかになっています。例えば、General Merchandise業態(百貨店からハイパーマーケットまでを含む)では、従業員が手元のモバイル端末で常に最新情報をキャッチ出来るようになったことで、顧客サービスの向上につながっています。 Hospitality業態では、マネージャーがオフィスに戻る時間が削減され、売り場に出る時間が増加。結果、店舗全体のパフォーマンス・売り上げ・客席回転率が高まっています。
Wi-Fi導入前後の平均売上高の比較では、Food・Drug・C-Stores(食品スーパー・ドラッグストア・コンビニエンスストア)業態は導入前の平均売上高は80億ドル(8,000億円)ですが、導入後の平均売上高伸び率は7,200万ドル(72億円)となっています。また、Wi-Fi/モバイル端末導入前の平均EBITA(金利・税金・償却前利益)は3億8,400万ドル(384億円)に対して、導入後は4億1,000万ドル(410億円)と、2,610万ドル(261億円)も大幅に伸びる結果となりました。
◆ワインバー/イートインスペース
魅力のある売場は、顧客の回遊性を高め、顧客が回遊することで店内滞在時間が伸び、その結果、売り上げが伸びることは以前より知られていますが、アメリカでは店内滞在時間を伸ばすことと関連して、店舗に簡易的なバーやイートインスペースを設ける動きが広がりをみせています。オーガニックやナチュラル食品の取り扱いでは全米最大のチェーン企業のホールフーズでも、ワイン売り場の近くにワインバーを設置する店舗が増えています。クローガー系列のラルフスでは、改装した店舗に「elevate Wine Beer Bar(エレベート・ワイン・ビア・バー)」を設置。9席と席数は多くありませんが、買い物のついでにワインやビールをグラス1杯から気軽に楽しむことができます。また、南カリフォルニアを中心に展開する高級スーパーのゲルソンズでもワインバーを設置、さらに店舗2階にイートイン専用スペースを設けた店舗をオープンしています。2階に設けられたイートイン専用スペースへは階段またはエレベーターを利用、席数はイス席とソファ席で30席近くとなっています。天気が良ければヨットハーバーを眺めながら、食事をすることができます。
2015.05.01
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