1−1.ウォルマート ―有機食品の独自商品、販売を本格化―

2014年4月、ウォルマートは自然食品ブランド「ワイルド・オーツ(Wild Oats)(※)」の有機商品を販売することを発表しました。ウォルマート限定の独自商品として供給されるのは、トマトソースやサルサ、鶏のスープストック、オリーブオイル、ほぼ調理済みで温めるだけで食べられる半調理品など約100品目で、ナショナルブランド(NB)商品と比べると25%以上安くなっています。まずは約2,000店舗で販売を開始、将来的には約4,000店舗に広げる計画で、自社通販サイトでは2014年の夏以降に取り扱いを始める予定です。

 

米国では「食の安心・安全」を求める消費者が増加しており、有機食品の需要も拡大。ウォルマートの調査によると、「価格が手ごろなら有機食品を買いたい」と考えている同社の顧客は91%にも上り、「顧客は有機食品に大変興味を持っているが、これまでは(通常商品より)高く、購入に結びつかなかった」と同社は指摘しています。また、一部の調査では米国での市場規模は2012年で263億ドル(約2兆6,800億円)に達し、2020年には600億ドルに達すると言われています。

 

大手スーパーではクローガーやセーフウェイ、アルディなどがプライベートブランドで有機食品を提供、ホールフーズ・マーケットは有機食品を強化したスーパーを展開しています。ウォルマートもすでにプライベートブランドで有機食品を導入していますが、低価格と「ワイルド・オーツ」のブランド力でさらに市場に攻め込む構えです。

 

〈導入される3つのブランド〉
◆ワイルド・オーツ・マーケットプレース・オーガニック(Wild Oats Marketplace Organic)(※※)
  缶詰の野菜やカレー粉など、USDAが定める基準を満たしているオーガニック商品。
  ワイルド・オーツ提供の90%に相当。
◆ワイルド・オーツ・マーケットプレース(Wild Oats Marketplace)
  食材が準備され、簡単に料理出来る商品。
◆ワイルド・オーツ・マーケットプレース・オリジナル(Wild Oats Marketplace Originals)
  (2014年後半より発売予定)

 

 ※ワイルド・オーツ
1987年創業。1997年までヘンリーズ・マーケットプレイスなどを全米24州とカナダで100店舗以上を展開していた自然食品スーパー。2007年ホールフーズに買収されましたが、2009年に売却され、現在は投資会社のユカイパ社の傘下です。ユカイパ社は、2013年に英テスコが米国で展開していた「フレッシュ&イージー」を買収しており、同チェーンでワイルド・オーツの有機食品を販売しています。

※※オーガニック
米国では、USDA (United State Department of Agriculture = 米国農務省)によりオーガニック食品の認証が行われており、認定には定められた基準を満たす必要があります。その表記はオーガニック原料の含有率によって、100%オーガニック原料の製品「100%オーガニック」、95%以上オーガニック原料の製品「オーガニック」、70%以上オーガニック原料の製品「オーガニック原材料使用」、の3種類に区分されています。

 

1−2.ウォルマート ―低料金の送金サービスを開始―

2014年4月、送金したい人がウォルマートの店舗でお金を預けると、受け取りたい人が全米に約4,000あるウォルマートの店舗で受け取りが出来る送金サービス、「Walmart2Walmart Money Transfer(ウォルマート・ツー・ウォルマート・マネー・トランスファー)」を開始することを発表しました。同サービスは、電子決済サービス大手ユーロネット・ワールドワイドの子会社リア・マネー・トランスファー社と提携して行われ、家族や友人間での送金を想定した米国内限定のサービスです。

 

手数料は送金額50ドルまでが4.50ドル(通常は4.75〜5.00ドル)、50ドル以上900ドルまで(1日の送金上限金額)が9.50ドル(通常は11〜76ドル)の2種類で、業界平均の半額以下で設定されています。

 

米国政府の独立機関で預金保険業務を行う連邦預金保険公社(FDIC)の2009年度の調査によると、銀行口座・クレジットカードを所有していない「アンバンクド(Unbanked)」に該当するのは世帯全体の7.7%にあたる900万世帯、銀行口座を所有しているものの利用せず、短期の小口ローンサービス「ペイデーローン」や小切手換金「チェック・キャッシング」など消費者金融を利用する「アンダーバンクド(Underbanked)」に該当するのは世帯全体の17.9%にあたる2,100万世帯にものぼります。さらに2011年には、アンバンクドとアンダーバンクドの合計世帯数は3,400万世帯に増加しており、これらの世帯を同サービスにより来店につなげ、客数アップを図りたい考えです。

 

ウォルマートはその他、店舗でアメリカン・エクスプレスのサーブ・プリベイド・カード口座の取り扱いを開始したり、ネット販売商品の受け渡しのみを行うドライブスルー専用スーパーの計画に着手したり、レシピサイトのベンチャー企業を買収したり、と顧客との接点を増やす取り組みを強化しています。

 

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トーマスビル
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57種類
  取扱商品
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F&F 衣料品プライベートブランド(PB)
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2014.05.28

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